食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

食品安全に関する10の事実 

Updated 2016.10 
http://www.who.int/features/factfiles/food_safety/en/
非常に多くの人々が、生活において食物が媒介となる病気を経験するだろう。このことは、私たちの食べるものが潜在的に有害な細菌、寄生虫、ウイルス、毒素、化学物質に汚染されていないことを確認することの重要性を意味する。
食物は、生産、流通、調理、どの過程においても汚染される可能性がある。生産チェーンに沿い、生産者から消費者までのすべての人が、食べ物により病気にならないよう確保する役割を担うのである。
事実1:200種類以上の病気が食品を通して広がる。
毎年、10人に1人は汚染された食品を食べることで病気になり、結果、毎年42万人が死亡している。5歳以下の子供は特に危険性が高く、12万5千人もの幼い子供たちが毎年食物媒介疾患で死亡している。適切な食事調理によって、ほとんどの食物媒体疾患は防ぐことができる。
事実2:汚染された食品は長期的な健康問題をもたらす可能性がある。
食物媒体による病気の、多くの一般的な症状は、腹痛、嘔吐および下痢である。重金属や天然毒素によって汚染された食品もまた、がんや神経障害を含む長期的な健康問題を引き起こすことがある。
事実3:食物媒体の病気は、感受性の高い人々のほうが影響を受ける
汚染された食物による感染症は、貧困層や虚弱な健康状態の人々に、より重く影響を与え、重篤や死亡に至りやすいということがある。 幼児、妊娠中の女性、病人及び高齢者にとって、食物媒介の病気の影響は多くの場合、より深刻なものとなり、死に至る可能性もある。
事実4:食物汚染の起こる機会はたくさんある
今日の食物供給は複雑で、食品が消費者にとどくまで、農場における生産、食肉処理、収穫、加工、貯蔵、輸送及び流通を含む様々な段階を含む。
事実5:グローバル化によって、食の安全はより複雑で不可欠なものになる
食品の生産や貿易のグローバル化は、食のチェーンをより長いものにし、緊急の場合、食物媒介の病気の発生調査と食品のリコールを複雑にしている。
事実6:食物の安全は多部門にわたり、学際的なものである
食品の安全性を向上させるには、多岐にわたる様々な専門家が一緒に協力し、可能な限りの最高の科学技術を利用する。公衆衛生、農業、教育及び貿易に関する様々な政府省庁や機関が、互いに協力し、コミュニケーションをとりながら、消費者団体を含めた市民社会と一緒に取り組む必要がある。
事実7:食物汚染は総じて経済と社会にも影響する
食物汚染は公衆衛生の直接的因果関係を超えて、広範囲にわたり影響を与える。先進国、発展途上国ともに、食糧輸出、旅行産業、食品取扱業者の生活、そして経済発展に打撃を与えるのである。
事実8:有害な細菌の中には薬物療法に耐性を持ちつつあるものもある
抗菌剤耐性は世界的保健上の懸念となりつつある。ヒトの臨床試験に加えて、農業や畜産における抗菌剤の過剰使用、誤使用は、抗菌剤耐性の出現や拡大につながる原因の一つである。動物における抗菌剤耐性のある細菌は、食物を通じてヒトに感染するかもしれないのである。
事実9:すべての人々に食品を安全に保つための役割がある
食品の安全性は、政府、産業界、生産者、学界及び消費者の間で、責任を分かち合っている(shared responsibility)。誰もが果たすべき役割がある。食品の安全性の達成は、毒物学、微生物学寄生虫学、栄養学、医療経済学及び医学と獣医学といった幅広い様々な分野からの専門知識を必要とする多部門の努力による。地域コミュニティ、女性団体や学校教育もまた、重要な役割を担っている。
事実10:消費者は食の安全慣行について、十分情報を与えられなければならない
人々は情報を与えられたうえで、賢く、食物の選択をし、適切な行動をとらなければならない。人々は食品ラベルによる情報を活用して、一般の食品の危険性や食品の安全な取り扱い方を知らなければならない。

関連リンク
WHO programme on food safety
http://www.who.int/entity/foodsafety/en/index.html
Five keys to safer food
http://www.who.int/entity/foodsafety/areas_work/food-hygiene/5keys/en/index.html
World Health Day 2015: Food safety
http://www.who.int/entity/campaigns/world-health-day/2015/event/en/index.html