食品安全情報blog過去記事

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おもちゃのアルミニウムの溶出限度を採択するにあたってのアルミニウムの耐容摂取量についての科学的意見の要請

SCHEER –Request for a scientific opinion on the tolerable intake of aluminium with regards to adapting the migration limits for aluminium in toys
http://ec.europa.eu/health/scientific_committees/scheer/docs/scheer_q_004.pdf
おもちゃ安全指令2009/48/ECではおもちゃやおもちゃ成分の19の元素の溶出限度を設定している。指令の付属文書IIの第III章13ポイントにおもちゃの種類別の限度リストが掲載されている。
この溶出限度は2008年のTDIリストに基づくもので、アルミニウムについては環境健康ハザード評価オフィス(OEHHA)のデータに独自検討を加えた0,75 mg/kg bw/day(5,25 mg/kg bw/week)となっている。指令2009/48/ECの溶出限度はTDIの10%に子どもの体重(3才で7.5kg)をかけ、1日あたり飲み込むおもちゃ材料の量(粉末なら100mg、液体なら400mg、剥がれ落ちるものなら8mg)で割ったものである。この1日あたり飲み込むおもちゃ材料の量については最近SCHERにより確認されている。従ってアルミニウムの溶出限度はそれぞれ5625 mg/kg、 1406 mg/kg 、70000 mg/kgとなっている。
EFSAが2008年にアルミニウムのTDIを1 mg/kg bw/weekに設定した。
食品と接触する物質に関する規制Regulation (EU) No 10/2011ではEFSAのTDIに基づき新しいアルミニウムの限度が設定されている。食品からの暴露量がEUの相当部分で高いため、食品と接触する物質の全体の暴露量への寄与は、通常の溶出限度に割り当て係数10%を適用して計算している。
JECFAは2011年にPTWI 2 mg/kg bw/weekを設定している。
EFSAとJECFAの耐容摂取量がおもちゃ指令の基本になっている値より低いため、改訂の必要性が示唆される。これについて2017年5月までに予備的意見、秋までに最終意見を予定している。