食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 特集 2016年の科学

Nature
2016: The year in science
http://www.nature.com/news/2016-1.21161
年末恒例の特集
アルファGO、遺伝子編集、重力波、3人の親をもつ子ども、BrexitとTrumpなど

  • 医学研究:船乗りの病気

Medical research: Mariners' malady
Tilli Tansey
Nature 540, 338(15 December 2016)
Jonathan Lambによる「壊血病:発見の病気Scurvy: The Disease of Discovery」の書評
壊血病はかつて「海の災難」と呼ばれ、足が腫れて歯茎が赤くなって痛く衰弱し、18世紀初めの船乗り達にはよく見られた。1800年までには柑橘類が治療や予防に使われるようになりその有効成分ビタミンCが同定されたのは1930年代である。文化歴史学者のJonathan Lambはこの病気について非常に多くのことを明らかにしている。
(空気が悪いせいだとされたり衛生状態のせいだと言われたり隠すべきものとみなされたり)

  • シドニーの薬物使用者の間ではアイス依存が増えている

Ice increasing cause of addiction among Sydney drug users
Sunday 18 December 2016
https://www.theguardian.com/society/2016/dec/19/ice-increasing-cause-of-addiction-among-sydney-drug-users
リハビリ施設は助けを求めてくる人の49%がアンフェタミンが原因だという。より純度の高いものがより安く簡単に入手できるようになっている。

Stressed canines given anti-anxiety meds, NT cyclone warning upgrades
19 December 2016
https://tenplay.com.au/news/national/december/stressed-canines-given-antianxiety-meds-nt-cyclone-warning-upgrades
ペットの犬は嵐の間気が変にならないようにZanex や Prozacのようなイヌ用錠剤を与えられているが、ヒトの薬と間違えないように。オーストラリア獣医師会によると犬は不安障害がよくおこるため嵐の前に投薬を薦めている。

  • 南オーストラリアは「リスクの高い」使用を減らす戦略として下水の薬物検査を拡大する

South Australia expands testing of wastewater to detect drug use in strategy to reduce 'risky' use
http://www.abc.net.au/news/2016-12-19/sa-expands-testing-of-home-wastewater-to-detect-drug-use/8131230
下水の薬物検査を地方に拡大

  • 救命法を作ったHenry Heimlichが96才で死亡

Henry Heimlich, life-saving manoeuvre creator, dies at 96
http://www.thespec.com/news-story/7026367-henry-heimlich-life-saving-manoeuvre-creator-dies-at-96/
窒息の救命法であるHeimlich法を作った外科医Henry Heimlichが土曜日にシンシナティで死亡した。96才。息子によると週の初めに心臓発作で入院していたChrist病院で亡くなった。

  • 搾取的出版社がインドアカデミアの上層部に足がかりを得る

Predatory publishers gain foothold in Indian academia’s upper echelon
By Priyanka PullaDec. 16, 2016
http://www.sciencemag.org/news/2016/12/predatory-publishers-gain-foothold-indian-academia-s-upper-echelon
インドには搾取的出版社:学術出版社のふりをして実際にはピアレビューはほとんどあるいは全く行わず著者に投稿費用を課して儲けるビジネス−が多数ある。そのような雑誌に発表されている論文のほとんどは剽窃や盗用、虚偽の報告でなかったとしても科学的価値の疑わしいものである。しかし新しい解析によるとそのような雑誌に発表されている論文の多くがインドのトップ研究所からきていることが発見された。
この知見は質より量を評価するインドの学術界の文化にスポットライトをあてる。特に問題が大きいのは生命科学の分野で、修正には時間がかかるだろう。
インドでは問題のある出版社と二流の研究者の間に共生関係がある。
資金提供機関は注意が必要である。