食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

その他

  • ベーコン比較

A Bacon Comparison
by Berkeley Wellness | January 09, 2017
http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/nutrition/article/bacon-comparison
Q:カナディアンベーコンとターキーベーコンは普通のベーコンより健康的?
A: カロリーと脂肪が普通のものより少ない。しかしあらゆる面でいいわけではない−だからどんな種類のベーコンであっても食べる量を減らすべきである。
アメリカンスタイルのベーコンは豚の腹部の肉から作り、未調理の一オンスあたりのカロリー(120 〜 150)、脂肪(ほとんどが飽和脂肪で10-12g)、ナトリウム(300 -600 mg)である。ブランドや部分や調理によりベーコンのカロリーや脂肪やナトリウム量は大きく異なることに留意。加熱すると脂肪が落ちるので落ちた脂を食べなければカロリーは約半分になる。一方カナディアンベーコン−イングリッシュあるいはアイリッシュ、背あるいはピーミールベーコンとも呼ばれる−は脂身の少ない豚のロインから作りハムに似ていて未調理の場合は1オンス当たりカロリーで30、脂肪で1g、ナトリウム200mg少ない。
ターキーベーコンはシチメンチョウの肉から作ったもので豚肉のベーコンより健康的なように聞こえるかもしれないが1オンス当たりのカロリーと脂肪とナトリウムはカナディアンベーコンより多い。それでも普通のベーコンよりはましである。
脂肪やカロリーを減らすには焼いて脂肪を落とし、さらに減らすには調理後のベーコンをペーパータオルで拭く。
もう一つの問題は全てのベーコンは加工肉でIARCが2015年に「ヒト発がん性」に分類しているということである。加工肉ががんの原因であるという明確な根拠はないが(観察研究では因果関係は証明できない)、他の心血管系疾患などとの関連に強い根拠があるため量を減らすのは良い考えである。
菜食主義者向けベーコンは?
通常小麦グルテンと野菜タンパク質(と無数の添加物)から作られているが、この高度加工食品はカロリーとナトリウムがベーコン同様に多くタンパク質は少ない。脂肪が植物油ではあるものの、これについても控えめに。

  • ドイツの研究者は2017年をElsevierの雑誌無しではじめる

Scienceニュース
German researchers start 2017 without Elsevier journals
Science 06 Jan 2017:
Vol. 355, Issue 6320, pp. 17
http://science.sciencemag.org/content/355/6320/17
値段は問題の一部でしかなく、Elsevierが猛烈に反対している、ドイツ人著者の論文を全てオープンアクセスにすることを目指している。

  • この動画は何故オレンジの皮をきれいに剥くことができないのかを明らかにする

This video reveals why there’s no clean way to peel an orange
By Elizabeth PennisiJan. 6, 2017
http://www.sciencemag.org/news/2017/01/video-reveals-why-there-s-no-clean-way-peel-orange
どんなにゆっくり丁寧にオレンジの皮を剥いても、手に果汁がついてしまう。何故かを探るために研究者がハイスピードビデオをつかってレモン、ネーブルバレンシアオレンジを絞ったり剥くときに皮で何がおこっているのかを捕らえた。それから液体の入った油腺にかかる圧力を測定した。腺の形は様々だが破裂する直前の圧力で液体の噴出速度は秒速10.5メートルにもなることがわかった。また静止状態から1ミリ以内でトップスピードになる
動画あり

Cleveland Clinic will discipline doctor who wrote antivaccination column
By Meredith WadmanJan. 9, 2017
http://www.sciencemag.org/news/2017/01/cleveland-clinic-will-discipline-doctor-who-wrote-antivaccination-column
クリーブランドクリニックが、先週職員の医師がニュースサイトCleveland.com.に反ワクチンコラムを発表したことを謝罪した。問題の医師Daniel Neidesには「適切な懲罰を与える」という。また彼の見解はクリニックの見解を反映したものではないとも声明で述べている。「クリーブランドクリニックは根拠に基づいた医療を支持する。ワクチンについての有害な神話や事実でないことは科学的に厳密に否定されている。我々は人々を守るために、特に脆弱な子どもを守るために、予防接種を完全に支持する」
Neidesは伝統ある有名な病院であるクリーブランドクリニックの代替医療部門であるWellness Instituteの医務主任であり主任執行役員である。彼は何度も根拠無くワクチンの成分であるアジュバントが危険だ、予防接種が自閉症の原因だといった主張をしていて医師らから激しい批判をあびている。STATの報告によると、患者がそれに対してお金を払うという理由でいわゆる代替医療法を支持する病院はクリーブランドクリニックだけではない。

  • 反ワクチン騒動が病院の代替療法利用に関する矛盾を暴露する

Anti-vaccine rant exposes conflict over hospitals’ embrace of alternative medicine
By Casey Ross and Eric Boodman
January 9, 2017
https://www.statnews.com/2017/01/09/hospitals-embrace-alternative-medicine/
クリーブランドクリニックの騒動はこの医師の発言取り下げに繋がったが既にダメージは与えられ反ワクチン団体が取り上げて宣伝している。そしてより根本的な問題−何故根拠に基づいた医療を支持していると称する病院が根拠のない代替医療を提供しているのか?を提示する。クリーブランドクリニックのWellness Instituteはホメオパシーレメディやほとんど根拠のない減量法や痛みの管理を宣伝している。近年米国の多くの病院が代替医療センターを開設している。そしてこの業界は既に数十億ドル産業になっている。一部の病院はそれらを「統合医療」と呼んでいる。それを支持する学術団体もある。多くの患者が鍼やカッピングやレイキに喜んでお金を払う。「統合医療」部門の医師は簡単に一線を越える傾向がある。

  • 遺伝子編集乳牛、悪徳病院、速やかな医薬品承認:TrumpのFDA長官が直面する課題

Natureニュース
Gene-edited cows, rogue clinics, speedier drug approvals: the challenges facing Trump's FDA chief
http://www.nature.com/news/gene-edited-cows-rogue-clinics-speedier-drug-approvals-the-challenges-facing-trump-s-fda-chief-1.21256
Trump次期大統領は医薬品の認可をスピードアップし大幅に政府の規制を減らしたい。そのことがFDAに何を意味するのかは明確ではないが、他のポストへの選択から考えるとFDA長官の地位に揺さぶりをかけるだろう。

  • Brexit投票は英国の学者に脱出を考えさせている

Brexit vote drives UK academics to think about leaving
Daniel Cressey 09 January 2017
http://www.nature.com/news/brexit-vote-drives-uk-academics-to-think-about-leaving-1.21259
1000人以上の英国大学職員への調査から、EU離脱投票は英国の学者の国外流出に繋がる可能性を示唆する。講師や教授の42%が英国を出ることについてより考えるようになったと回答している。特に英国民ではない人では76%と高い。

  • 乳がん検診、腫瘍サイズ、過剰診断を調べた研究への専門家の反応

SMC UK
expert reaction to a study investigating breast cancer screening, tumour size, and over-diagnosis
January 9, 2017
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-a-study-investigating-breast-cancer-screening-tumour-size-and-over-diagnosis/
デンマークの30年コホート研究の知見がAnnals of Internal Medicineに発表された。著者らは乳がん検診が進行がんの発症率削減と関連せず小さい腫瘍の過剰診断に関連すると報告している
ケンブリッジ大学がん疫学教授Paul Pharoah教授
この論文は、乳がんマンモグラフィー検診の影響を調べた膨大な観察研究に追加するものだ。報告されているのは既にわかっていることで乳がん検診のリスクとベネフィットについての議論にもそれほど変わりはない。
(中略)RCTでマンモグラフィーはほんの少し乳がんの死亡率を下げるが過剰診断と過剰治療のコストを伴う。その利益が害に値するかどうかは個人の決定で、人により異なるだろう。

  • 製品レビュー:エクストラバージンオリーブオイルレビュー

コンシューマーラボ
Product Review: Extra Virgin Olive Oil Review
1/7/17
https://www.consumerlab.com/reviews/Extra-Virgin-Olive-Oil-Review/evoo/
エクストラバージンオリーブオイルの純度、鮮度、ポリフェノール、味を調べた。レビューの結果10製品中3製品に「エクストラバージン」ではない疑い