食品安全情報blog過去記事

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その他

Be Well
A Memory Supplement Worth Forgetting
by John Swartzberg, M.D. | January 18, 2017
http://www.berkeleywellness.com/healthy-mind/memory/article/memory-supplement-worth-forgetting
あなたはテレビやオンラインでPrevagenの広告を見たことがあるだろう−記憶力を改善し加齢による認知機能の低下予防に役立つことが「臨床的に示されている」と主張していた。私はあなたが月に24から68ドルを費やしていないことを期待するが、もし使っていたらいつか返金されるかもしれない。FTCとニューヨーク司法長官Eric SchneidermanがPrevagenの販売者に対して根拠のない宣伝を止めることと消費者への返金を求めて訴えた。
ここにPrevagenの問題のほんの一部を挙げる。
・宣伝で謳っている、あまり知られていない雑誌に発表された「臨床試験」は、実際のところプラセボと比べてメリットは見られていない。しかしPrevagenの製造業者に雇われた研究者は、一連のサブグループ解析をして、そのうちの一部で、基本的に認知機能に問題のないごく少数の参加者でほんの僅かの改善が見られた。そのような二次解析は信頼性が低く、少なくとも何かポジティブなものを探すために都合の良いデータだけを拾ったことを示す。他にもこの研究には方法論的問題がある。
・Prevagenの主要成分は合成アポエクオリンで、もともとある種のクラゲから発見されたものである。Prevagenの研究者らは細胞内カルシウム濃度を調節することで「アポエクオリンが加齢神経細胞の機能を改善し記憶や認知機能を向上させるのではないか」という仮説をたてた。これは科学的に可能性はあるが、たとえこの仮説がほんとうだとしても、FTCは企業が提出した安全性試験でアポエクオリンは胃で速やかに消化されアミノ酸や小分子ペプチドに分解されることを示していると指摘している。さらに経口摂取したタンパク質の幾分かが血流に入ったとしても、それが血液脳関門を突破して神経細胞に影響するという根拠はない。
・この会社はアポエクオリンを「発見した」科学者とその同僚がノーベル化学賞を受賞したと宣伝している。それは事実であるがしかしそれはクラゲが暗闇で光る仕組みについての基本研究に対してであって、ヒトの脳の健康とは関係がない。合成アポエクオリンがダイエタリーサプリメントの新規成分としての基準を満たすかどうかすら疑問である。
基本:Prevagenは根拠のない記憶用サプリメントの代表で、宣伝業者は欠陥のある科学あるいは疑似科学を用いて記憶を心配している人たちを標的にしている。たとえそれにビタミンやミネラルやハーブや無数の「魔法の」成分が入っていると記載されていても、記憶用サプリメントにはしっかりした臨床的根拠はない。お金を無駄にしないように。

  • 狂犬病を無くすための世界キャンペーンの内幕

Science特集
Inside the global campaign to get rid of rabies
By Erik StokstadJan. 19, 2017 ,
http://www.sciencemag.org/news/2017/01/inside-global-campaign-get-rid-rabies
犬の予防接種の話
アフリカでは犬なんか価値がない、犬の病気とヒトの命は関係がないと思われているという障害がある、など

  • Trumpのワクチン委員会の考えはバイアスがあり危険

Natureエディトリアル
Trump’s vaccine-commission idea is biased and dangerous
17 January 2017
http://www.nature.com/news/trump-s-vaccine-commission-idea-is-biased-and-dangerous-1.21310
科学者は既に嘘とわかっているワクチンと自閉症の関連について、事実で反撃しなければならない
批評家はTrumpは予測できないというが、彼の行動はしばしば予測通りである。その最も典型的な例が先週の、ワクチンが自閉症と関連すると主張している環境法律家のRobert F. Kennedy Jrにワクチンの安全性を調べさせるという発表である。Trumpが反ワクチン活動を信奉していることは秘密ではない。彼は何度もワクチンが自閉症の原因かもしれないとツイートしたり発言したりしてきた。そして反ワクチン活動家と会っている。
ワクチンが自閉症のリスクを上げないことについては既に多くの根拠がある。そして米国ではワクチンで予防可能な病気のアウトブレイクを経験している。
過去にワクチンについての間違った情報と戦ってきた科学者、医療関係者、コメンテーターは深呼吸して再び臨戦態勢に入らなければならない。最早猶予はない。

  • 遺伝子編集動物が米国の規制取り締まりに直面

Natureニュース
Gene-edited animals face US regulatory crackdown
19 January 2017
http://www.nature.com/news/gene-edited-animals-face-us-regulatory-crackdown-1.21331
オバマ政権の最後の提案はCRISPRやその他の最先端技術に対応
FDAが1月18日に発表した規則案に、動物を最新のゲノム編集ツールで改変している研究者らはがっかりしただろう。しかしDonald Trump政権下でこの提案がどう進められるのかについては明らかではない。
提案された規制ではゲノムを意図的に改変した動物は新規医薬品と同様のプロセスで安全性と有効性を評価すると明言している。
多くの研究者はより正確なツールを使うゲノム編集で作った動物に対してはFDAがそれほど厳格でないだろうことを期待していた。カリフォルニア大学の動物遺伝学者Alison van EenennaamはFDAの提案を「正気とは思えないinsane」という。Eenennaamらはこの提案が大学や事業者に遺伝子組換え動物の開発をあきらめさせることになるのではと恐れている。彼らはAquaBounty Technologies社による遺伝子組換えサーモンの事例を教訓とみなす。
遺伝子編集企業Recombineticsは12月21日にFDAに遺伝子編集により角を無くした牛を食用として販売する意向であると伝えていた。これはUSDAが2016年4月に遺伝子を改変して褐色にならないマッシュルームを規制しないと発表したことに後押しされたものである。このマッシュルームには外来遺伝子が含まれず、Recombinetics社の牛にも外来遺伝子はない。Recombinetics社の主任科学担当官Scott FahrenkrugはFDAの提案に驚き、FDAが「道を踏み外した」という。同社は次期期政権下でFDAの提案に反対する予定である。

  • Gwyneth Paltrowの新しい健康本は「クリーン」な生活の厳しい教訓を提供する

Gwyneth Paltrow's new wellness book offers tough lessons on 'clean' living
By Andreea Ciulac Chicago Tribune January 19, 2017, 5:23 PM
http://www.chicagotribune.com/lifestyles/sc-gwyneth-paltrow-goop--fashion-0123-20170119-story.html
セレブには我々の健康と幸福を導く使命があるようだ。Cameron Diazは長寿の秘訣を教えKate Hudsonは身体の受容のレッスンを提示する。女優のGwyneth Paltrowは"Goop Clean Beauty"という本で「究極の美のガイド」を提供する。
彼女はこれまで馬鹿げた美容法を行い、高価な美容用具を薦めてきた。今回はデトックス

  • 脳ブースターはサプリメント業界の金鉱であるがその利益は論争中

Brain Boosters a Gold Mine for Supplements Industry But Benefits Are Hotly Disputed
By Rick Schmitt on January 12, 2017
http://www.fairwarning.org/2017/01/supplement/
数年前に、認知症の家族がいるBea Pena-Reamesは記憶や脳の健康を改善すると約束するサプリメントを使い始めた。安全で有効だと宣伝されていたが、彼女の経験ではそうではなかった。彼女は56才のもと高校の生物学の教師で、サプリメントは効かなかった。
この種のダイエタリーサプリメントは精神機能の低下を心配する中高年のアメリカ人にますます受容されている。しかしその売り上げの増加は人々の恐怖を煽るマーケティングによるものである。
米国会計検査院が記憶や脳用のサプリメントマーケティングと誤解を招く宣伝への規制上の問題について調査している。この調査はClaire McCaskill上院議員の要請による。
月曜日、米国とニューヨーク州の当局はこの国最大の脳サプリメント販売業者Quincy BioscienceをPrevagenについての根拠の無い宣伝で訴えた。
9月にはFDAがPena-Reamesの使用していたサプリメント、ビンポセチンの禁止を提案した。この製品は合成品でダイエタリーサプリメントの定義にあわない。しかしそれはもう20年以上前からわかっていた。禁止の提案は既に何千億ドルも販売された後である。
法によりサプリメントは病気を治すということはできない。しかし販売業者はディスプレイや文脈からそのようなメッセージを送っている。
専門家は認知症を簡単に治療できる方法はないと言う。サプリメントは害はなくても膨大なお金の無駄であるともいう。
(以下長い記事)

  • 皮膚がんサバイバーが「基本となる日焼け」をしておくという考えは間違っているという

Skin cancer survivor says getting a 'base tan' is a bad idea
Jan 19, 2017
http://www.cbc.ca/news/canada/saskatchewan/skin-cancer-survivor-base-tan-1.3943562
反日焼け主張者Annette Cyrは16年皮膚がんと闘っている
サスカチュワンの女性が日焼けベッドの危険性について話し、将来の日焼けを防ぐために「ベースとなる日焼けをしておく」のが良いという考えが危険だという。カナダ悪性黒色腫ネットワークの共同創設者Annette Cyrが、最近のカナダの統計からいまだに多くの人々が日焼け装置を使っていることが示されたという。Cyrは悪性黒色腫に3回罹患した。彼女の経験を共有して日焼けベッドを使う人と減らしたいと望んでいる。カナダ統計局の報告によると、日焼け装置を使うNo1の理由が、ビーチに行く前に「ベースとなる日焼け」をするためである。しかしいくつかの研究でそれはその後の日焼け予防にはならないことが示されている

  • ILSI 2016年次報告書

2016 Annual Report
http://ilsi.org/wp-content/uploads/2017/01/ILSI_AnnualReport_2016.pdf