食品安全情報blog過去記事

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アクリルアミドを減らすため、家庭には「黄金色に」を強く薦める

Families urged to 'Go for Gold' to reduce acrylamide consumption
23 January 2017
https://www.food.gov.uk/news-updates/news/2017/15890/families-urged-to-go-for-gold-to-reduce-acrylamide-consumption
FSAとオリンピック選手のDenise Lewisが協力して家庭での調理における有害な可能性のある化合物を最小限にするための助言を提供する
・黄金色に−一般的に焼いたり揚げたりする場合は明るい色を目指す
・包装をチェック−指示された調理法に従う
・多様な、バランスのとれた食生活
・生のじゃがいもを冷蔵庫で保存しない もし揚げる予定なら。6℃以上の冷暗所に保管。
FSAは本日発表したトータルダイエットスタディの知見から'Go for Gold'キャンペーンを開始している。この結果は英国の人々が望ましいレベルよりも多くアクリルアミドを摂取していることを確認した。

  • 無機汚染物質とアクリルアミドとマイコトキシンのトータルダイエットスタディ

Total diet study of inorganic contaminants, acrylamide & mycotoxins
23 January 2017
https://www.food.gov.uk/science/research/chemical-safety-research/env-cont/fs102081
暴露推定は1.5-3才の幼児で1.4-2.9μg/ kg bw/day、19才以上は0.56-1.1μg/ kg bw/day
EFSAのBMDL10は発がん性について0.17 mg/kg bw/day、その他の毒性について0.43 mg/kgbw/day.
発がん性についてのMOEは59-390でCOCの助言する10000を目安にすると懸念が低いとは言えない

  • FSAのアクリルアミドキャンペーン

Acrylamide campaign: toolkit
https://www.food.gov.uk/enforcement/enforcetrainfund/enforcework/acrylamide-campaign-toolkit-for-local-authorities
2017年1月23日から27日にアクリルアミドキャンペーンを行う
その資料(ソーシャルメディアに投稿する内容、インフォグラフィクス、動画等)

  • 「焼けたトーストの化合物」アクリルアミドのがんリスクについての警告

NHS
Warning over 'burnt toast chemical' acrylamide’s cancer risk
Monday January 23 2017
http://www.nhs.uk/news/2017/01January/Pages/Warning-over-burnt-toast-chemical-acrylamides-cancer-risk.aspx
FSAのキャンペーンについて
(一部抜粋)
このキャンペーンはどう受け止められているか?
キャンペーンへの反応はいろいろである
Cancer Research UKは「アクリルアミドの多い食品はカロリーも高く、少なく食べる」ことにメリットがあるだろうと合意する
一部の人は「過保護国家主義」だと批判する。「納税者のお金を使った公衆衛生兵の命令がないと一日も過ごせない。FSAはアクリルアミドが悪いかどうかすら知らないのにチップスの調理法まで命令する」
FSAの政策主任Steve Wearneはこれらに対して「私達はたまに食べるものについて心配すべきだと言っているわけではない−これは生涯にわたるリスクを管理するという話だ。なんでもできることをすれば生涯リスクを下げられる。例えばポテトチップが好きでも食べる回数を減らすことができる」
心配すべき?
焦げたトーストをたまに食べたからと言って死ぬことはないしアクリルアミドとがんの関連は証明されていない。しかしCancer Research UKの言うように、それらは主にカロリーの多いデンプン質の食品であるため、がんとの関連があろうとなかろうと、一般的な健康のために避けるべきだろう。
もちろん、あなたが、がんのリスクを増やすことが確実にわかっている喫煙、飲酒、日焼け、赤肉や加工肉を毎日90g以上食べること、を続けるのなら、アクリルアミドを避けたところでほとんど意味がないだろう。
(burntを「焼けた」とするか「焦げた」とするか悩ましい。真っ黒焦げにまでなってしまうとアクリルアミドはむしろできなくてPAHになってしまう。でも写真は結構「焦げ」レベルで。)

褐色のトーストとポテトは「がんリスクとなる可能性」と食品科学者が言う
Browned toast and potatoes are 'potential cancer risk', say food scientists
http://www.bbc.com/news/health-38680622

Q&A:アクリルアミド−ブラウントーストとローストポテトを諦める理由?
Q&A: Acrylamide - a reason to give up browned toast and roast potatoes?
By Philippa Roxby
http://www.bbc.com/news/health-38691915
FSAが我々の食事中のアクリルアミドの量を減らすための方法について助言している。
メッセージは茶色いトーストは減らす、ローストポテトやフライドポテトの調理は慎重に、ポテトチップやケーキやビスケットは食べる量を減らす、である。
彼らは我々の人生から食べる楽しみを奪おうというのか?
我々はFSAの最新助言を全体の文脈の中で説明しよう
ローストポテトを食べるのは止めるべき?
それで味は変わる?
トーストを焦がしてしまったら?
アクリルアミドのリスクの大きさは?
他のがんリスクと比べてどのくらい?
食品業界の対策は?
FSAは不必要に脅している?