食品安全情報blog過去記事

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本当に「FDA認可?」か。

Is It Really 'FDA Approved?'
January 17, 2017
http://www.fda.gov/ForConsumers/ConsumerUpdates/ucm047470.htm
FDA認可!」
おそらく会社のホームページまたは新商品や新治療法の商用販売促進においてこういった言葉を見たことがあるだろう。マーケティング担当者は自分たちの商品が「FDA認可
」であると言うかもしれないが、米国食品医薬品局(FDA)が何を認可しているのかどのように確実に知ることができるのか?
FDAはヒトの医薬品や生物製剤、動物用医薬品、医療機器、タバコ製品、食品(動物用食品を含む)、化粧品及び放射線を発する電気製品を規制することで公衆衛生を守る責任を負う。
しかし、すべての製品が市販前承認−つまり、市販前承認は製品が市場に出る前にFDAの専門家や当局の認可による安全性や有効性のレビューを受けるわけではない。場合によっては製品がすでに販売された後で、製品に対しFDAの対応が実施される。これは、FDA権限を規定する議会によって決定されるのである。たとえ、製品が販売される前にFDAの認可が必要とされない場合でも、FDAは安全性の問題が起きた時、販売の規制権限を持っている。
以下にFDAがどのように製品を規制するかについての指針がある。さらに当局が何を認可するか(しないか)が記載されている。

FDAは企業を認可しない
FDAは医療施設、研究所または製造業者を「認可」しない。FDAは適切な適正製造基準規則を遵守しているかを確認するため規制施設を調査する権限を持つのである。
国内海外の食品、医薬品及び多くの機器施設のオーナーや経営者は免除申請のない限りFDAに施設を登録しなければならない。血液や組織の施設も登録しなければならない。
マンモグラフィー施設はFDAに認定されなければならず、患者の見えるところにFDAの証明書を表示しなければならない。証明書はマンモグラフィーの品質が厳しい基準を満たしているということを表している。

FDAは新薬と新生物製剤を認可する。
新医薬品と特定の生物製剤は企業が州際通商において製品を市場に出す前にFDAに対して安全と有効の証明をしなければならない。認可を要する生物製剤の例は治療用タンパク質、ワクチン、細胞療法及び血液と血液製剤がある。また、製造業者は連邦品質基準に応じて薬剤製品を作ることが可能であることを証明しなければならない。
FDAは医薬品や生物製剤を認可する前に製品を開発したり、検査したりしない。代わりにFDAの専門家が製造業者によってなされた動物やヒトの臨床試験の結果をレビューする。もし、FDAが認可するならば、当局が製品の利益がその使用目的上の既知のリスクを上回ると決定したということである。
ウェブサイトで市場の承認、未承認の完成した医薬品のリストを参照できる。
(以下サイト:http://www.fda.gov/Drugs/InformationOnDrugs/ucm142438.htm

FDAは調剤品を認可しない。
調剤は一般的にFDAが認可した薬の成分にアレルギーがある人またはFDAの認可した錠剤を飲み込むことができない人を含め、個々の患者の必要性に応じた薬剤を作るために薬剤師もしくは医師が成分を組み合わせる行為である。しかし、消費者は調剤された製品はFDAに認可されていないことを知っておく必要がある。これは、FDAが調剤された製品の安全性、有効性または品質を評価するレビューしないということである。

FDAは医療機器を規制するためリスクに基づいた段階的アプローチを利用する
FDAは医療機器をリスクに応じて分類する。リスクの高い機器(Class III)、例えば、人工心臓弁や埋め込み式点滴ポンプのようなものは一般的に市場に出す以前にFDAの市販前承認申請によるFDA承認を必要とする。これらの機器がFDAの承認を受けるには製造業者は機器がその使用目的において安全かつ有効である合理的な保証があるという十分かつ有効な科学的証拠をもって実証しなければならない。
一般的にFDAは中程度のリスクの医療機器(Class II)(例えば、透析設備や様々なタイプのカテーテルなど)は、市販前承認を必要としない合法的に販売された類似の機器に対して実質上等しい機器であると一度実証されると市場に出すことが「クリア」できたとする。
使用者にとってのリスクが低いとされる機器(Class I)(例えば、電力なしの搾乳器、伸縮包帯、舌圧子、検査用手袋)は一般規制のみを受け、多くは市販前の届出要件を免除されている。

FDAはヒトの細胞や組織に対してはリスクに基づいた段階的アプローチをとる
ヒトに使用するためのヒトの細胞や組織はすべてーまとめてヒトの細胞、組織及び細胞組織関連製品と呼ばれているものだがー感染症の伝染を防ぐため規制されている。追加リスクのあるものは市場に出る前にFDAの認可を必要とする。細胞や組織の例は、骨、皮膚、角膜、靭帯、腱、硬膜、心臓弁バルブ及び生殖組織を含む。 

FDAはタバコ製品を認可しない。
安全なタバコ製品というものはないので、FDAの医療製品を評価するための安全性有効性基準はタバコ製品に対しては適切でない。代わりにFDAは集団に対する製品のリスクを考える公衆衛生基準に基づいてタバコ製品を規制する。
米国で合法的にタバコの新製品を販売、流通させるには、製造業者はFDAから書面の許可証を受けなければならない。タバコ製品を市場に出すには3つの経路がある:市販前タバコ申請、実質的同等の申請または実質的同等による免除である。
市販許可はタバコ製品が安全であるとか「認可された」ことを示すわけではない。製造業者が市場に製品を持ち込むために法に従って要件を遵守したということを意味する。

FDAは人々のために食品中の食品添加物を認可する。
FDAは食品の市販前承認はしないが、食品に使われる前に特定の成分を認可する権限がある。意図的に食品に加える食品添加物や着色添加物を含む。
新規の食品添加物を食品に加えることを望む企業はその添加物が安全であると示す情報をFDAに提出する責任がある。FDAの専門家は企業が食品添加物がその使用目的において安全であることを確認した適切な検査結果をレビューする。その認可された使用、仕様及び規制に従って、認可された食品添加物は使用されなければならない。
添加物のいくつかは、コーティング、プラスチック、紙及び接着剤のような食物に移行する可能性のある食品接触物質、また包装で使用される着色剤、抗菌剤、抗酸化物質である。それらはそれぞれ違ったレビュープロセスを受ける。同じ安全基準が適用されるが、食品接触物質の通知プロセスはその製造業者やサプライヤー特有のものである。もし、レビュー期間終了時にFDAからの反対がないならば、その食品接触通知は有効になり食品接触物質は合法的に市場に出ることになるだろう。
特定の食品の成分、例えば科学の専門家によって「一般に安全と認識されているもの」(GRAS)は食品添加物としての市販前承認は必要としない。FDAは製造業者が成分の使用がGRASであるという結論を提出する任意の通知プロセスを有している。

FDAFDAの規制する製品で使用される着色添加物を認可する。
この着色添加物は食品(動物用食品を含む)、栄養補助食品、医薬品、化粧品、及びいくつかの医療機器で使用されるものを含む。着色添加物(コールタール染髪剤を除く)は当局による法の承認を受け、またその承認された使用方法、仕様及び規制を遵守する場合でのみ使用されなければならない。承認プロセスにおいては、FDAは着色添加物がその使用用途において安全であることを確認するために安全性のデータを評価する。

FDAは動物医薬品と動物用食品に使用される食品添加物を認可する。
FDAはペット、家畜及び家禽を含めた動物に対する医薬品の承認に責任を負う。(牛、豚、鶏、七面鳥、馬、犬及び猫以外のマイナー動物種を含む)
FDAはペットフードを含めた動物用食品の市場販売の認可はしないが、これらの製品に使用される食品添加物を認可する。動物用食品(家畜や家禽の食物、ペットフードおよびペットのおやつ)が安全で、衛生的環境で製造されており、また正しいラベル表示がなされているかを確認する手助けをする。
FDAの食品安全強化法(FSMA)による新しい規制である、動物の食品に対する予防的管理規則は、食品企業に汚染から食品を守る対策を講じることを求め、また動物の食品を製造する場合、適正製造基準(CGMP)(例えば、適正な職員衛生規範、十分な衛生管理、適切な設備使用)を守ることを求める。

FDAは化粧品を認可しない
化粧品の例は香水、メーク用品、保湿剤類、シャンプー類、染髪剤類、洗顔料やボディソープ類及び剃髭剤類である。化粧品の製品や成分及び成分表示は市場に出す前にFDAの承認を必要としない。ただし1つ例外がある:着色添加物(コールタールの染髪剤以外)である。化粧品はその使用用途において安全であり、適切なラベル表示をしなければならない。

FDAは医療用食品を認可しない
医療用食品は特殊な栄養を必要とする病気や健康状態の食事管理のために使用される。医療用食品の例は遺伝性疾患である、フェニルケトン尿症の患者に使用される食品である。この遺伝性疾患の患者はアミノ酸フェニルアラニンの入っていないよう処方された医療用食品が必要であることがある。医療用食品は医師の監視のもとその用途で使用される。例えば、代用食やダイエットシェークやまた通常の食事を改良して使われる糖尿病のような病気管理に対する製品は含まれない。
医療用食品はFDAの市販前承認を受ける必要はない。しかし、医療用食品企業は例えば適正製造規範や食品施設規則のような他の要件を遵守しなければならない。医療用食品は表示に栄養成分を記す必要はないが、ラベルの表示は真実で誤解をまねかないものでなければならない。

FDAは乳児用ミルクを認可しない
FDAは市場に出す前に乳児用ミルクを認可しない。しかし乳児用ミルクの製造業者はFDAの規制管理監督を受ける。
製造業者は乳児用ミルクが連邦政府の栄養所要量に従っていることを確認しなければならない。製造業者は新しい商品を市場に出す前にFDAに登録し、通知を当局に提出しなければならない。
FDAは毎年乳児用ミルクの製造施設のすべての査察を行い、商品のサンプルを採取し分析する。FDAはまた新しい施設も検査する。FDAが乳児用ミルクにヒトの健康のリスクになるものが存在すると判断すれば、そのミルク製造業者はリコール措置をとらなければならない。

FDAはダイエタリーサプリメントを認可しない
新医薬品とちがって、ダイエタリーサプリメントFDAによってその安全性と有効性に基づきレビューされたり、認可されたりしない。例外を除き、新しい食品成分を含む栄養補助食品(1994.10.15以前米国で販売されていない食品成分)は市場に出す少なくとも75日前にFDAに通知をすることを求められる。
その通知にはそのダイエタリーサプリメントが合理的に安全であると推定されるという結論に至った製造業者や流通業者の根拠となる情報を含まなければならない。そのダイエタリーサプリメントが市場に出された後に公衆衛生の懸念が起こった場合には、FDAは調査と有害事象のモニタリングを通して製品の安全性を評価する。

FDA食品表示、栄養成分表を含め認可しない。
FDAは食品が市場にでる前に個別の食品表示を認可しない。しかしFDAの規則はダイエタリーサプリメントを含め多くの食品に栄養成分表が表示されることを要求する。また、食品に関する表示は真実で誤解を招かないようにしなければならないし、強調表示の類には法的な要求事項に従わなければならない。
製造業者は食品の摂取基準量や食品表示の「栄養成分表」(またはダイエタリーサプリメントの「サプリメント成分表」)の1回の摂取基準量の栄養成分量に関する明確な情報を表示しなければならない

FDAはダイエタリーサプリメントや他の食品に構造・機能強調表示を認可しない。
構造・機能強調表示は、ヒトの構造または機能に影響を与えることを目的とした食品の役割や食品成分(例えば栄養素)を説明した表示である。1例は「カルシウムが強い骨を形成する」である。
構造・機能強調表示をラベル表示するダイエタリーサプリメント企業はFDAに通知しなければならない。構造・機能強調表示の栄養補助食品を初めて市場に出したのち30日以内に通知をしなければならない。また、通知には強調表示の内容を含み、同時に例えば通知者の名称、住所のほかの情報も含まなければならない。ダイエタリーサプリメントの構造・機能強調表示にはFDAによってレビューを受けていない、病気の診断、治療、治癒または予防を意図したものではないことを記す必要がある。
FDAは伝統的な食品の製造者に構造・機能強調表示についてFDAに通知することまたは免責事項を記すことを求めない。

FDAロゴの不正使用は連邦法律違反になる可能性がある
FDAのロゴは公式な政府使用のためだけである。FDAのロゴは当局と偽って使用したり、FDAが民間の組織、製品またはサービスを推奨することをほのめかして使用してはならない。これらはFDAが公衆衛生を守ることに対して責任がある多くの方法のうちの一部である。
この記事はFDA’s Consumer Updates page で閲覧でき、
(以下サイト:http://www.fda.gov/ForConsumers/ConsumerUpdates/default.htm
最新のFDAの規制する製品すべてについて述べてある。

更新: January 17, 2017
発行: September 30, 2008
Is It Really ‘FDA Approved?’ (PDF 282 K)