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  • 科学、嘘、ビデオテープに撮られた実験

Natureコラム ワールドビュー
Science, lies and video-taped experiments
Timothy D. Clark 07 February 2017
http://www.nature.com/news/science-lies-and-video-taped-experiments-1.21432
データを誤魔化したり「揉んだり」する研究者が多すぎる。厳密な証明を要求することのみが彼らを止められる
先月の後半、米国の物理学者が科学的不正で懲役に服し始めた。Darin Kinionは量子計算の研究費を獲得したがその研究は実施せず、データをでっちあげた。科学者はこのようなあからさまな不正は希だと考えたがるが、私自身多くの深刻な不正を目撃してきた−大規模なデータ操作からあからさまな捏造まで。ほとんどの事例で罰は与えられず、それどころか容疑者が褒め称えられるのを見るのはがっかりする。詐欺師にとってはありきたりなデータを偽造するのはたいしたことではない。彼らの嘘は素晴らしい物語を作りランクの高い雑誌に発表され見合わない資金を与えられる。
私は自分の分野、実験生物学で、あまり知られていない悪い科学の動機に気がついた。環境変化が続き、公衆や政府からの野生生物が傷ついているという単純な物語の要求が大きい。私はしばしば、研究の誠実さより求められる物語のほうが重要だと主張する科学者に会った:その結果はデータの操作の正当化である。そのような見解は間違っていて科学には認められない。人間が原因となる野生生物への影響は厳密な科学的正しさで研究されなければならない。
科学者が疑わしい行動をしていても逃亡できる理由の一つは科学のシステムが信頼に基づいているからである。不正が疑われる場合にそれを証明するのは疑った方になる。圧倒的根拠がなければ、科学者が主張していることを信じるしかない。もし科学コミュニティが不正を深刻に考えているのならこれは変わらなければならない。証明の責任は結果を出した方に移行する時期だ。
(以下実験の様子を撮影して証拠を残すことの提案。実際やっている)