食品安全情報blog過去記事

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その他

  • GM小麦試験−質問をどうぞ

senseaboutscience
GM wheat trial – ask your questions
http://senseaboutscience.org/activities/gm-wheat-trial-ask-your-questions/
2017年3月9日にエセックス大学のChristine Raines教授がRedditによる「何でも聞いて」を開催する。RothamstedによるGM小麦試験について尋ねよう。

  • 世界初の遺伝子組換えアリがどうやって複雑な昆虫社会が進化してきたのかに光をあてる

Scienceニュース
World’s first genetically modified ants shed light on how complex insect societies evolved
By Elizabeth PennisiMar. 8, 2017 ,
http://www.sciencemag.org/news/2017/03/world-s-first-genetically-modified-ants-shed-light-how-complex-insect-societies-evolved
社会性昆虫の遺伝子組換えは特に難しく、一個体の遺伝子を改変できても、アリの卵はとてみ敏感で、働きアリがいないと育てるのが難しい。さらにライフサイクルが複雑で大量の遺伝子組換え子孫を必要な時に得るのは難しい。そこでニューヨークのロックフェラー大学の進化生物学者Daniel Kronauerはコロニーに女王のいないアリOoceraea biroiを使うことにした。
(以下略。いろいろへぇ〜)

The Scoop on Diatomaceous Earth
by Berkeley Wellness | March 08, 2017
http://www.berkeleywellness.com/supplements/other-supplements/article/scoop-diatomaceous-earth
読者が我々に、妻が健康のために彼に珪藻土を定期的に食べさせたがっているがこれに何か利益があるという根拠はあるのかと書いてきた。そこで米国の最新の健康に関する流行のひとつについての情報を示す。
珪藻土は珪藻と呼ばれる単細胞の水棲生物の化石からなる柔らかい堆積岩の一種である。このケイ素の多い堆積物は採掘されて粉にされていろいろな目的で販売されている。土壌同様組成は様々である。
昆虫を乾燥させることで効果を発揮する天然の害虫コントロール剤として使ったことがあるかもしれない。研磨剤として化粧品やパーソナルケア用品にも使用されている。しかし最近注目されているのは食品サプリメントの一種として食用珪藻土を使うことである。血中コレステロール濃度の改善やエネルギーレベルを上げる、がんや関節炎、肥満に効くなどあらゆる効果があると宣伝されている。髪を輝かせる、爪を強化する、肌が若くなる等とも宣伝されている。
提唱者はこの粉を水やジュースに入れて、その研磨作用で身体の内部から寄生虫やウイルスや農薬や有害金属などを排出すると信じている。ウェブサイトに多くの体験談があるが、家畜で実験した文献もいくつかある。ヒト研究は1つしか見つけられなかった。1998年に対照群のない小規模のものがあるがその後再現されていない。
珪藻土のメリットの多くはケイ素によるとされるが推奨食事許容量を設定している科学アカデミーによると「ヒトでのケイ素の機能的役割はこれまで同定されていない」
我々は「デトックス」やその他目的のために珪藻土を飲み込むことを薦めない。あなたの腸を健康に維持するのに研磨剤は必要ない。
ケイ素の骨の健康への影響についてはさらなる研究が必要である。一方で人々のケイ素が不足しているという根拠はなく、サプリメントにケイ素を加えることに正当性はない。
さらなる懸念は、珪藻土FDAにより食品の加工助剤としての使用には「GRAS」とされているが、食品サプリメントとして規制されているわけではない。つまりあなたは何を飲み込んでいるかわからない。一部の製品は疑問がある、安全性のわからない成分と組みあわされている。

  • 土食症:それは一体何?

Geophagia: What on Earth Is That?
by Berkeley Wellness | March 08, 2017
http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/nutrition/article/geophagia-what-earth
土や粘土を食べる土食症は新しい現象ではなく数千年前のヒポクラテスの時代から存在した。異食症という精神疾患に関連するが、必ずしも異常行動とは限らない。動物ではよく見られ、貧しい人々や部族、妊娠女性などでも見られる。
土食に関する理論はいくつかある:カルシウムやマグネシウムなどのミネラルを摂るため、単に飢餓を紛らわすため、つわりの症状を緩和する、あるいは土がお腹の中の植物の毒素や病原体と結合する、など。
それが良いことだと言いたいわけではない。もし栄養素をとるのが目的なら逆効果になる可能性があるし土壌には鉛やヒ素などの有害金属や寄生虫、細菌、ウイルスなどもいる。Environmental Geochemistry and Healthに2002年に発表された論文によると土食は多くの病態と関連する。
基本:科学者の土食についての議論は続くが、我々は栄養は食品から摂ることを薦め続ける。そして「デトックス」には(土を食べるのではなく)身体に備わった機能を働かせよう。