食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

論文

  • 未殺菌牛乳とチーズを摂取することに関連するアウトブレイク関連疾病負担、米国、2009-2014

CDC
Outbreak-Related Disease Burden Associated with Consumption of Unpasteurized Cow’s Milk and Cheese, United States, 2009–2014
Emerg Infect Dis. 2017 Jun
https://wwwnc.cdc.gov/eid/article/23/6/15-1603_article
オーガニックでナチュラルな食品への消費者の需要が増加しているが、一部の認識とは違って、未殺菌乳製品による食中毒の率の高さが根拠を示すようにナチュラルな食品は普通の食品より必ずしも安全ではない。殺菌は乳製品による食中毒数を大きく減らした。近年米国では乳製品の摂取量が減っているにもかかわらず未殺菌乳製品に関連するアウトブレイクの数が増えている。この増加に並行して規制緩和により消費者の未殺菌ミルクへのアクセスが簡単になっている。未殺菌ミルクの販売を禁止している州の数は2004年の29から2011年の20まで減った。この傾向は公衆衛生上の懸念である−特に未殺菌ミルクの消費者には子どもが含まれるので。
(以下から本文、これはイントロ。オーガニックにとって安全性は二の次であることを象徴するものなので。)

  • 米国の社会経済的地位と成人のファストフード摂取の関連

The association between socioeconomic status and adult fast-food consumption in the U.S.
Jay L. Zagorskya, , Patricia K. Smith
Economics & Human Biology Volume 27, Part A, November 2017, Pages 12–25
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1570677X16300363
・成人のファストフード摂取は収入と財産で測定した社会経済的地位(SES)による違いはあまりない
・記述分析ではファストフードとSESには弱い逆U字型の関連が示される
・栄養成分表示を頻繁にチェックすることと炭酸飲料をあまり飲まないことがファストフードをあまり食べないことを予想する
・労働時間が長いことはファストフードを多く食べることを予想する

  • 隔日絶食は減量により有効?

Is alternate-day fasting more effective for weight loss?
1-May-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-05/tjnj-iaf042717.php
JAMA Internal Medicineに発表された、100人の肥満成人を3群にわりつけた試験。隔日絶食群(絶食の日は必要なカロリーの25%、ご馳走の日は125%)、毎日のカロリー制限群(75%)、介入無しの3群で1年後の体重減少は隔日絶食群(6%)とカロリー制限群(5.3%)で有意差無し。

  • 広範なビタミンD欠乏は日焼け止めの使用のせいである可能性が高く、慢性疾患を増やす

Widespread vitamin D deficiency likely due to sunscreen use, increase of chronic diseases
1-May-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-05/aoa-wvd042817.php
The Journal of the American Osteopathic Associationに発表された臨床レビュー。
日光の利益を得るのにビーチで日光浴をする必要はない、ほとんどの人は腕や脚を出して歩くだけで十分、とPfotenhauer博士は言う
(そんなに多くの人ががっつり日除けしてるかな?)

  • 研究が、黒人女性での乳がんリスクと飲酒の関連を確認

Study confirms link between alcohol consumption, breast cancer risk in black women
1-May-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-05/ulcc-scl050117.php
Cancer, Epidemiology, Biomarkers & Preventionに発表されたノースカロライナ大学Lineberger総合がんセンターの研究。週に14以上のアルコール飲料を飲む黒人女性は浸潤性の乳がんリスクが有意に高い。白人集団で観察されていたこととほぼ同様であることを確認した。乳がんのリスク要因のうち年齢や人種を変えることはできないが飲酒は変えられる。

  • WHO紀要

Bulletin of the World Health Organization
Volume 95, Number 5, May 2017, 313-388
http://www.who.int/bulletin/volumes/95/5/en/
・北米における処方オピオイド依存の増加への対策
NGOのAndrew Kolodny博士によると、米国では1995年以前はオピオイド鎮痛薬は末期がんや重大な怪我、大きな手術の後といった限られた使用しかされていなかった。1986年に38人の患者での研究を根拠に慢性痛にオピオイドが安全に使えるとして一部の痛みの専門家が使用拡大を主張したが1990年代に製薬企業から資金提供を受けた患者と医師の団体がオピオイド処方を増やすように運動して拡大した。
一方で末期がんでもオピオイドが入手できない国もある。
・妊娠中の飲酒によるコストを計算する