食品安全情報blog過去記事

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論文等

The chemistry of whiskey (video)
2-May-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-05/acs-tco050217.php
ACS動画シリーズ
ビールとウイスキーを分けるのは蒸留。風味を保ちつつエタノール濃度を上げるために「化学」の理解が役立つ。そしてエイジング。エタノールはいろいろな化合物をよく吸収する。

  • 改変大豆は将来の気候条件では収量が増えるだろう

Modified soybeans yield more in future climate conditions
3-May-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-05/crwi-msy050317.php
Journal of Experimental Botany。気温と二酸化炭素濃度の両方が増加し、高温に耐性のある品種を遺伝子組換えで作る、というシナリオ。

  • 食用昆虫は有害な排出を減らすのに重要な役割を果たしうる

Edible insects could play key role in cutting harmful emissions
4-May-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-05/uoe-eic050417.php
Global Food Securityに発表されたエジンバラ大学の研究者らによる研究。世界中で食べられている肉の半分をコオロギやミールワームに代えれば農地の利用が1/3減らせ、温室効果ガスを相当量減らせる。持続可能性のためには昆虫や豆腐のような大豆ベースの食品が望ましく、牛肉は最も持続可能でない。実験室で培養した肉はチキンや卵より良くはない。
ミールワームより最大限に遺伝子組換えした植物の方が食べやすいだろうと思ってしまう)

  • Queen'sの研究者らはベビーフードに違法濃度のヒ素が見つかったことを示す

Queen's research shows illegal levels of arsenic found in baby foods
4-May-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-05/qub-qrs050417.php
2016年1月にEUは無機ヒ素の最大基準を設定した。Queen's大学Belfastの世界食糧安全保証研究所の研究者らが、赤ちゃん用コメ製品の50%がまだ違法な量のヒ素を含み法律の成立後あまり変わっていないことを発見した。
この研究の主著者であるMeharg教授は、「この研究は赤ちゃんが違法な濃度のヒ素に暴露されていることの直接的証拠を示した」という。特にコメは他の食品の10倍の無機ヒ素を含み、慢性暴露で発達上の問題や心疾患、糖尿病、神経系の障害など一連の健康問題を引き起こす可能性がある。赤ちゃんは成長が早くヒ素の有害影響を受けやすい。PLOS ONEに発表されたこの研究では赤ちゃんは離乳後ヒ素暴露が5倍になり、コメをベースにしたベビーフードとヒ素暴露に明確な関連があることを示した。
Meharg教授は先の研究でコメをパーコレーターでお湯を通して加工することでヒ素が除去できることを示しており、そのため製造業者がこのような違法な濃度の発がん物質を含む食品を売っていることに弁解の余地はない、という。また消費者にはヒ素を含む食品を摂取する前にリスクについての情報を伝えるために製品のヒ素濃度を発表すべきだ。
EUのベビーフードのヒ素基準は普通にコメメインだとアウトだろう。Meharg教授は相変わらずだが法律違反ではあるからしかたない。)

  • 砂糖で甘くした飲料は世界中でより入手しやすくなっている

Sugar-sweetened beverages becoming more affordable around the world
4-May-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-05/acs-sbb050117.php
Preventing Chronic Diseaseに発表された、米国がん学会の新しい研究。1990年から2016年の間に82ヶ国のうち79ヶ国で砂糖で甘くした飲料が入手しやすくなっている。主に収入の増加と価格の低下による。一般的にボトル入り水の方が高い。

  • コロラドの病院での大麻使用に関連する救急外来は合法化後4倍になった

ER visits related to marijuana use at a Colorado hospital quadruple after legalization
4-May-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-05/aaop-evr042617.php
小児科学会の学会発表。コロラド州は医療用大麻を2010年に、娯楽用大麻を2014年に合法化している。2005年から2015年の間の13-21才の救急データを検討し、尿から大麻が検出されたり大麻使用と診断されたりする事例が2005年の146から2014年の639に増加した。青年では3443件のうち66%が精神症状で、半分以上が他の薬物も同時に検出されている。

  • 時代遅れの健康神話を実践する祖父母は孫の安全上の脅威となるかもしれない

Grandparents who practice outdated health myths may pose safety threat on grandchildren
4-May-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-05/nh-gwp050117.php
小児科学会の学会発表。特にSIDSのリスクについて。
(挑発的な研究発表だなぁ)

  • 直腸結腸がんは不健康なライフスタイルの人により一般的に報告される、調査は発見

Survey finds colorectal cancer reported more commonly in individuals with unhealthy lifestyle
7-May-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-05/cc-sfc050417.php
消化管疾患週間2017を受けて5月7日に発表されたクリーブランドクリニックがんリスク評価調査。ウェブベースでの世界中から27000以上の反応を解析。

世界水銀条約の枠組みでの水銀暴露の経済的影響:特定の途上国での毛髪水銀濃度と経済的生産性損失推定
Economic implications of mercury exposure in the context of the global mercury treaty: Hair mercury levels and estimated lost economic productivity in selected developing countries.
Trasande L, et al.,
J Environ Manage. 2016 Dec 1;183:229-35.
15ヶ国で毛髪水銀濃度が1ppm増えるごとに0.18 IQが低下すると想定して知能障害とDALYの損失を推定。EPAの参照レベルである1ppmを閾値にした場合と閾値無しとの両方で推定。
(ふ〜ん。日本人が魚食べないと頭が良くなると本当に思う?)

  • ブルーゾーンでの食生活と精子の特徴:Loma Linda研究

Food intake diet and sperm characteristics in a blue zone: a Loma Linda Study.
Orzylowska EM, et al.,
Eur J Obstet Gynecol Reprod Biol. 2016 Aug;203:112-5
長寿で知られるLoma Lindaブルーゾーンに住む菜食主義者の男性生殖能について検討した。菜食ではない人に比べて乳製品と卵を食べる菜食主義者精子の質が低く、完全菜食主義者はさらに低かった。