食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

食品中の重金属(鉛、カドミウム)安全管理強化有害物質基準課 2017-04-27

http://www.mfds.go.kr/index.do?mid=675&pageNo=2&seq=37018&sitecode=1&cmd=v
食品医薬品安全処は韓国民の食品からの重金属暴露量を根拠に重金属6種に対する食品の基準・規格を再評価した結果、鉛とカドミウム基準を強化する計画だと発表した。
○今回重金属再評価は気候変動・環境汚染増加・食生活多様化など社会的環境変化を反映して現実にふさわしい重金属6種(鉛・カドミウムヒ素・水銀・メチル水銀・スズ)安全管理基準を用意するために行われた。
○ 再評価は▲総暴露量▲汚染濃度が高い食品▲2010年と比べて暴露量が増加した食品▲乳児・授乳中など感受性の高い人たちが多く食べる食品▲国際基準などを比較・検討した。
*‘12年から‘15年まで調査された農・畜・水・加工食品(計33,362個)対象に重金属汚染度と私たち国民の食品摂取量を土台に総暴露量評価
□ 重金属基準・規格再評価の結果、6種すべて現在の暴露水準では安全と評価されたが年令別摂取量と食習慣などを考慮した時、暴露量を減らして行く必要があるカドミウムと鉛に対しては基準を強化する計画である。
カドミウム水産物消費が増加し食品からの総暴露量が‘10年0.189μg/kg・bw/dayで’15年0.292μg/kg・bw/dayと54%増加したため暴露寄与度が高いイカとわかめの基準をまず強化・新設する予定である。
*1人当り年間水産物消費量(統計庁、漁業生産統計調査): ‘01年42.2kg→'14年58.9kg
イカカドミウム基準: 現行2.0mg/kg以下→強化(案)1.5mg/kg以下
わかめのカドミウム基準新設(案): 0.1mg/kg以下
○鉛の場合総暴露量が‘10年0.348μg/kg・bw/dayで’15年0.210μg/kg・bw/dayで40%減少したが、年令別で分析すると乳児の暴露水準が大人に比べて高く、鉛の毒性が乳児で大きい影響を与えることが知られているため乳児がたくさん取るりんご・蜜柑・いちごに対して基準を強化する予定である。
* 鉛は子供の神経発達に影響を与える物質で、国際食品規格委員会(CODEX)、ヨーロッパ連合などでも鉛暴露を最小化するために基準を持続的に強化している情勢である
*乳児(1-2歳)平均摂取量(g/kg bw/day): リンゴ1.96、蜜柑2.41、いちご0.98
*大人(20才以上)平均摂取量(g/kg bw/day): リンゴ0.50、蜜柑0.38、いちご0.09
*リンゴり、蜜柑、いちご(漿果類)鉛基準: 現行0.2mg/kg以下→強化(案)0.1mg/kg以下
また鉛汚染度が高くて管理が必要と評価されたえごま、甲殻類イカ、わかめに対しては鉛基準を新設または強化する計画である。
*えごまの鉛基準新設(案): 0.3mg/kg以下
*わかめの鉛基準新設(案): 0.5mg/kg以下
甲殻類の鉛基準: 現行1.0mg/kg以下→強化(案)0.5mg/kg以下
イカの鉛基準: 現行2.0mg/kg以下→強化(案)1.0mg/kg以下
国際食品規格委員会(CODEX)などの国際基準と比較して基準強化が必要な桔梗と蔓人参については鉛とカドミウム基準を同時に強化する予定である。
*桔梗、蔓人参: (鉛)現行2.0mg/kg以下→強化(案)0.2mg/kg以下(カドミウム)現行0.2mg/kg以下→強化(案)0.1mg/kg以下
□ 食薬処は今後とも重金属など有害汚染物質の基準・規格を周期的に再評価して科学的・合理的な基準を用意する一方、重金属暴露を減らすために子供・妊婦・授乳婦など感受性の高い階層のための摂取ガイドを提供する予定である。
○ 鉛、カドミウム基準強化・新設内容は今年の上半期内の予定であり、再評価は食薬処ホームページ(www.mfds.go.kr>分野別情報>食品安全政策>食品安全情報>食品情報)で確認できる。