食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

その他

  • EU担当者が卵スキャンダルへの対応を検討

EU officials mull response to egg scandal
05/09/2017
http://www.euronews.com/2017/09/05/eu-officials-mull-response-to-egg-scandal
(ドイツの)DPAニュースが火曜日に世界中で40ヶ国で汚染卵が発見されていると報道した。
欧州の農業相がこのスキャンダルについてエストニアのTallinnでの会合で議論している

  • 「健康って何?」ドキュメンタリーは完全菜食主義者の主張を極端に

‘What the Health?’ documentary takes pro-vegan agenda too far
September 5, 2017  By Carrie Dennett (栄養士)
http://www.seattletimes.com/life/wellness/what-the-health-documentary-takes-pro-vegan-agenda-too-far/
私が数ヶ月前に「健康って何?」ドキュメンタリーを見たとき、私はすぐにこれは植物をベースにした食生活の利点についてのドキュメンタリーではなく、プロパガンダ映画を見ているのだとわかった。「健康って何?」は非常に強いビーガン支持の意図をもち、その目的を支持する情報を集めて編集してドラマ仕立てにしてある。さらにこの映画は「魔法の治癒」といった類のあまりにもうますぎる証言を含む曖昧な健康宣伝を無数に含む。
きっかけになったのは私の患者がこの映画を見て、ミルクや肉や鶏肉や卵や魚を食べることに罪悪感を感じ、さらに自分を毒していたことが恐ろしくなったと話したことである。でもこの映画について書く前にシアトルの栄養士に相談してみた。植物主体の食事を勧めているChris Voglianoと菜食主事実践団体の代表だったGinger Hultinである。
Voglianoは「この映画についての激しい評判を聞いて自分で見てみた。始まって2分でそのバイアスと過剰宣伝にショックを受けた。僅かに事実は含まれるものの、この映画は都合の良いデータのつまみ食いと誇大宣伝だらけである。100%菜食を薦めるが、健康のために全員が完全菜食になるべきということはない」。Hultinは植物主体の食事に関心をもつ人が増えるのは望ましいが、この映画のように、恐怖を理由にすべきではない、という。
(以下略)
映画のサイト
http://www.whatthehealthfilm.com/
(菜食主義反対者の皮肉かと思ったけど違うらしい。本気で宣伝になると思ってるのかなぁ)

  • グルテンミートを讃えよ!如何にしてビーガンフードが汚れを打ち負かしたか

Hail seitan! How vegan food got down’n’dirty
Rebecca Nicholson
Tuesday 5 September 2017 18.54 BST
https://www.theguardian.com/lifeandstyle/2017/sep/05/hail-seitan-how-vegan-food-got-downndirty
Jeremy Corbynがビーガン用食品をもっと食べることを誓った
最早にちゃにちゃして風味のないものではない、動物を使わない食事はジャンクフード革命のまっただ中
動物実験反対を20年以上訴えているLushのイベントでJeremy Corbynが何十年も続けている菜食主義を完全菜食に切り替えることについて尋ねられて、ビーガン用食品を今まで以上に食べると言った。完全菜食になるとは言っていない。ビーガン及びベジタリアン用食品はビジネスの成長分野である。特に最近はビーガン用ジャンクフードの市場が大きな変革中。
(写真はビーガン用ダブルチーズバーガー、ピザ、チキンスライダー等。インスタ映えすることも大事、らしい)

  • 何故私は完全菜食主義を諦めたのか

Why I gave up being vegan
5 September 2017 By Jennifer Scott
http://www.bbc.com/news/uk-41158365
労働党党首Jeremy Corbynによると「完全菜食主義者の食品は近年非常に良くなっている」。彼は肉や乳製品や卵などの動物由来の食品を全て排除する完全菜食主義を選ぶ友人がますます増えているという。しかし一部の人は菜食主義を止めて肉を食べる生活に戻っている。
「倫理的選択」
John Nicholsonとパートナーは、スコットランド北部の農場に住んでいた1984年に23才で完全菜食主義になった。しかし26年後、肉食に戻ることを決めた。
「私達はかつて牛が屠殺場に連れて行かれるのを見て、それを止めるべきだと考えた。それから私達は食べ物についてたくさん調べた。東方やインドの食事に向かい文化の水平線を拡大した。間もなく政府が健康的な食事について広報するようになり、我々が倫理的で健康的な選択をしたと考えた」
基本に戻る
しかし年月が経ち、二人は健康を害し、原因を探した。Johnは過敏性腸症候群を17年患った。また太って、彼の主治医によると「ヨークシャーで最も高いコレステロール」だった。同時にパートナーは鬱になり甲状腺機能低下で、二人とも変えたいと思った。
「彼女は、原因は私達が食べているものではなくて、私達が食べていないものだといった。そして変えたら本当に変わった」影響は迅速で、48時間以内に気分が良くなりIBSが消えた。パートナーはもっと劇的だった。
「26年もビーガンだったら、それはもうアイデンティティになるだろう。私は浅はかだったと思うだろうと心配したが、私達は長い話し合いをし、最終的に動物より自分たちの健康を大事にすることに決めた」。二人はまだ工業的畜産には反対で倫理的買い物をし放し飼いとオーガニックを選んでいる。
「私は祖母がビーガンに対して何と言うだろうと考える。彼女はビーガンを身勝手なナンセンスと言うだろう。彼女の時代には何を食べているのか知っていた」
乳製品過敏症
Estelle Silverは8年間ビーガンだった。彼女は乳製品過敏だったのでビーガンになった。もともと菜食主義だったのでビーガンになるのは簡単だった。昨年彼女は慢性疲労症候群繊維筋痛症と診断され、サポートグループが肉や魚を食べると良いと言った。それから健康が大きく改善し不安も無くなった
「全ては計画次第」
NHSによるとビーガンは必要な栄養素をとるための計画が必要である。
(いろいろ略)

  • マウスでのケトン食の健康影響を調べた二つの研究への専門家の反応

SMC UK
expert reaction to two studies investigating the health effects of ketogenic diets in mice
September 5, 2017
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-two-studies-investigating-the-health-effects-of-ketogenic-diets-in-mice/
Cell Metabolismに発表された二つのマウスでの新しい研究が、ケトン食が高齢動物の記憶を改善するのか、長生きするかどうかを調べている
シェフィールド大学筋骨格加齢教授Ilaria Bellantuono教授
Newman らとRobertsらによる二つの研究は、炭水化物が無いあるいは少なく脂肪が多い食事(ケトン食)のマウスの寿命への影響を調べた。これらの研究は健康や寿命への異なる栄養素の役割についての我々の理解にとっては重要であるが、ヒトへの解釈は慎重にすべきである。
これらの研究はたった一系統のマウスの雄で行われ、全体としては結果は期待できそうだが多様である。寿命の延長と運動能力の改善への影響が違うことについては食事組成の僅かな違いや投与方法の違い(間欠的か継続的か)によるかもしれない。さらに寿命の炎症や健康の測定は複雑であることがわかっていて、違う研究室で結果を再現するにはしばしば未知の要因に影響される。高齢マウスでの記憶テストは特に解釈が難しく、年齢とともに低下する視覚・聴覚・嗅覚がマウスにとって重要である。従って感覚への影響と記憶への影響を区別するのは困難である。そしてマウスはヒトとは脂質代謝が異なり、高脂肪食への反応は違う。例えばマウスは加齢に伴ってアテローム動脈硬化を自然発症することはない。従ってこの二つの試験の違いを説明するにはさらなる研究が必要である

(メディアがたくさん報道している
Could a drug that mimics a zero-carb diet help us live longer, healthier lives?
https://www.theguardian.com/science/2017/sep/05/could-a-drug-that-mimics-a-zero-carb-diet-help-us-live-longer-healthier-lives
These Mice Stopped Eating Carbs So You (Maybe) Don't Have To
https://www.wired.com/story/ketogenic-diets-make-mice-live-longer-and-protect-their-brain-power-as-they-age/
低炭水化物食はブームである)

Mineral Oil: Facts and Myths
by Berkeley Wellness | September 05, 2017
http://www.berkeleywellness.com/self-care/over-counter-products/article/mineral-oil-facts-and-myths
一部の人たちがいろいろな問題用の家庭薬としてミネラルオイルを使っている。一方毒だと避ける人たちもいる。買うべきなのか捨てるべきなのか?このQ & Aが役立つだろう。
ミネラルオイルは石油製品?使っても安全?
どちらも答えはイエス。類似製品のワセリン同様、ミネラルオイル重油からガソリンなどの石油製品を精製する際の高価ではない副生成物である。処理の少ないミネラルオイルには不純物が含まれるが精製により取り除かれていてスキンケア用品に使われたりドラッグストアで販売されたりしている。
ミネラルオイルが皮膚に悪いって本当?
全然。ワセリン同様、有効な保湿剤である。ベビーオイルは単なる香料入りミネラルオイルである。
ミネラルオイルが毛穴を塞いでニキビを作るという良くある信仰は事実ではない。毛穴を詰まらせることはなくアレルギー誘発性も低い。
下剤としてミネラルオイルを摂取するのはOK?
薦めない。ミネラルオイルは経口摂取すると下剤として作用するが副作用もある
ミネラルオイルは耳の問題に使える?
耳垢を除去するのに役立つ。耳が痛いときには使わないこと。しばしば耳が痛いときの家庭薬に使われているが、医師に相談すること
(○○は毛穴を詰まらせる、系の嘘っていろんなパターンがあるけど、元はどこなんだろう?)

  • オリーブオイルは本当にそんなに特別?

Is Olive Oil Really That Special?
by Berkeley Wellness | September 04, 2017
http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/food/article/olive-oil-really-special
過去25年、オリーブオイルは健康食品(a health food)の地位を確立した。最初は血中コレステロール濃度を改善して心臓を守ろうとする人たちの間で、しかしそれから単に一般的に健康に関心の高い人たちの間でも健康食品になった。オリーブオイルは、他の全ての植物油同様、100%脂肪であるが、「良い脂肪」だとされる。注目される理由の大部分は、オリーブオイルを重要な要素とする地中海食の健康上の利益についての研究が蓄積したことによる。また賢いマーケティングも大きな役割を果たした。オリーブオイル業界はたくさんの研究に資金を出し、消費者や栄養の専門家に対して巧みに製品を宣伝した。
オリーブオイルはしばしばその単価不飽和脂肪酸含量が多いと宣伝されているが、それはキャノーラや「高オレイン酸」ひまわり油や紅花油でも同じである(「脂肪の真相」参照)。そして実際のところコーン油や大豆油やその他多価不飽和脂肪酸油のほうがオリーブ油よりLDL(悪玉)コレステロールを下げ冠動脈リスクを減らすにはより良い。それなのに、多くの健康意識の高い人たちはこれらとオリーブ油を比べることはない。彼らにとって、そして一部の専門家にとって、血中コレステロール濃度への影響の他にオリーブ油の優れたところがある−ポリフェノール化合物である。オリーブ油の物語についてよく吟味してみよう。
何故オリーブ油がホットになったのか:観察研究
(以下一部のみ)
1958年の7ヶ国研究がオリーブ油を大きく推した。クレタ島ギリシャ人の心疾患が少なかったから。その後地中海食と健康についての研究が多く発表された。しかしオリーブ油がどのくらい重要な役割を果たしているのかは不明である
それで血中コレステロール濃度を改善するのにベストの油はどれ?
多価不飽和脂肪酸。大豆やコーン油をオリーブ油に変えてもメリットはない
他の利益の可能性
オリーブ油はポリフェノールを含む。加熱すると一部が壊れる。他の多くの食品にもポリフェノールは含まれ、オリーブ油特有ではないことに注意
血糖や血圧への影響についていくつかの研究がある
単価不飽和脂肪酸は多価不飽和脂肪酸よりも調理の際に酸化されにくい
台所への助言
全ての目的にかなう完璧な油は存在しない。加熱用や風味を楽しむ用など、使い分ける
基本
健康のためではなく、オリーブオイルが好きなら選べばよい。
キャノーラ、アボカド、ピーナッツ、高オレインひまわり油や紅花油も単価不飽和脂肪酸が多い。コーン油、普通のひまわり油、ピーナッツ、くるみ、その他多価不飽和脂肪酸油も良い選択肢である。
全ての植物油はテーブルスプーン1杯あたり約120カロリーであることを忘れないように。単純に足すと太る。
そして最後に、オリーブ油はより安価な別の油で薄められて「エキストラバージン」と表示されているという無数の報告がある。

バージン 対エキストラバージンオリーブ油
一部のオリーブ油には何故バージンとかエキストラバージンと表示されているのか?加工の違いによる。油を抽出するためにはオリーブは砕いてペースト状にし、それから圧力をかける。「エキストラバージン」は最初の圧搾で得られたもので物理的方法のみを使う。「バージン」も最初の圧搾で得られるが酸性度が高く風味が弱いグレードのものである。
単純に「100%ピュア」オリーブ油と表示してあるのは熱や溶媒抽出を用いたもので、それから不純物を取り除くために精製され、風味のためにバージンオリーブ油が加えられていたりする。風味はオリーブの木の種類や場所による。一般的に色が濃いと風味も強い。
ところで「ライト」オリーブ油は単に色が明るいあるいは味や香りが軽いという意味で、カロリーが少ないという意味ではない。