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「カフェインが青少年の心血管系に及ぼす潜在的影響」専門家会議の結果

Outcomes of the expert discussion "Potential Effects of Caffeine on the Cardiovascular System of Children and Adolescents"
BfR Communication No 018/2017 of 9 August 2017
http://www.bfr.bund.de/cm/349/outcomes-of-the-expert-discussion-potential-effects-of-caffeine-on-the-cardiovascular-system-of-children-and-adolescents.pdf
2017年4月26日、BfR(German Federal Institute for Risk Assessment: ドイツ連邦リスク評価研究所)は、カフェインが青少年の心血管系に及ぼす潜在的影響について、ベルリンで専門家会議を開催した。
この専門家会議の目的は、青少年のカフェインの長期大量摂取が心血管系の病気の発生の原因となるかどうか、またどの程度の量が影響を及ぼすのかを、用量-反応関係を考慮に入れて話し合うことである。この会議には小児心臓病学、毒性学、薬理学、疫学、栄養医学の分野の専門家や、RKI(Robert Koch Institute: ロベルトコッホ研究所)、BMEL(Federal Ministry of Food and Agriculture: 連邦食糧農業省)、BZfE(Federal Centre for Nutrition: 連邦栄養センター)の代表が出席した。この件に関する最新の知見や考察を概説した発表が行われ、その後討論が行われた。
カフェインの長期大量摂取(エネルギードリンクの形状も含む)と青少年の心臓と循環系における長期的影響との間に何らかの関連性があることを示す試験の情報は、今のところ得られていないということで一致した。また、この分野のデータはかなり不足しているが、この情報不足を補う試みには方法論上の大きな難題が伴われることが明確にされた。
BfRは、長年にわたる青少年のエネルギードリンクの過剰摂取が健康リスクを生じる可能性をすでに要説している。カフェインによる既知の急性影響を考慮すると、エネルギードリンクの過剰摂取は青少年に安全と考えられているより多くのカフェインを摂取することにつながり、青少年の心血管系に悪影響を及ぼす恐れがある。
BfRは青少年におけるこの確認された潜在的健康リスクを最小限にするよう助言している。この助言は、対象者に向けた情報提供情報と教育的手段、さらに必要に応じて、特に青少年のエネルギードリンクの過剰摂取を防ぐことを企図した追加的手段の形を取って行われる。
◇カフェインの話題に関するBfRウェブサイト上の追加情報
・カフェインについてBfRの索引A-Z
http://www.bfr.bund.de/en/a-z_index/caffeine-129927.html
・「カフェインとエネルギードリンクを含むカフェイン含有食品についてのFAQ」2015年7月23日BfR FAQ
http://www.bfr.bund.de/en/frequently_asked_questions_on_caffeine_and_foods_containing_ caffeine__including_energy_drinks-194902.html
・"Gesundheitliche Risiken durch den übermäßigen Verzehr von Energy Shots"(エネルギーショットの過剰摂取による健康リスク) 2009年12月2日BfR Opinion No. 1/2010 (ドイツ語のみ)
http://www.bfr.bund.de/cm/343/gesundheitliche_risiken_durch_den_uebermaessigen_verzehr_von_energy_shots.pdf
・"Neue Humandaten zur Bewertung von Energydrinks"(エネルギードリンクの評価についてのヒトの新データ)2008年3月13日BfR Information No. 16/2008(ドイツ語のみ)
http://www.bfr.bund.de/cm/343/neue_humandaten_zur_bewertung_von_energydrinks.pdf