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EPA、グリホサートに関するリスク評価書案を公表

EPA Releases Draft Risk Assessments for Glyphosate
December 18, 2017
https://www.epa.gov/pesticides/epa-releases-draft-risk-assessments-glyphosate
EPA (U.S. Environmental Protection Agency: 米国環境保護庁)は、グリホサートがヒトの健康や生態系に関するリスク評価書案を作成し、パブリックコメント募集のために公表した。グリホサートは米国で最も広範に使用されている農薬の1つである。
ヒトの健康に関するリスク評価書案では、グリホサートがヒトに発がん性を示すことはありそうに無いと結論付けている。EPAの評価では、ラベル表記に従って使用される場合、グリホサート製品によるヒトの健康に対する他の有意リスクは認められなかった。EPAの科学的知見は、2017年の国立衛生研究所の農業健康調査や外国の多くで行われた科学的レビューの結論と一致している。
EPAによるヒトの健康に関するレビューでは、食事による暴露、住居での非職業暴露、包括的暴露、および職業暴露についての評価が行われた。また、EPAは、がんに関するグリホサートのデータベースを念入りにレビューした。当該データベースには、疫学調査、動物での発がん性試験、遺伝毒性試験のデータが含まれている。
生態系に関するリスク評価では、鳥、哺乳類、陸生植物および水生植物でリスクを生じる可能性が認められた。EPAは、グリホサートへの暴露により動物や植物に及ぼされる可能性のある影響を調べるなど、最新のリスク評価手法を用いた。これらの生じ得る影響の詳細全体は、EPAがどのようにそれらを推定したかを含め、生態系に関するリスク評価書において参照することができる。
リスク評価書案および証拠書類を読みたい方は、以下のウェブサイトを参照のこと。これらは、2018年早々に、グリホサートの登録に関するレビュー案件書庫EPA-HQ-OPP-2009-0361で入手可能となる。EPAはこのリスク評価書案に関し、60日間のパブリックコメント募集を行う予定であり、受け取った意見を熟考し、グリホサートについて実施可能な他のリスク管理策がないかを検討する。
またEPAは、グリホサートの登録期間の中間までの評価のレビュー案を2019年に公表する予定である。この中間評価レビュー案の見解は、何かリスク低減策が必要とされる事態においては、何らかの低減策案の概要を示すものになると考えられる。