食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 有機肥料がマイクロプラスチック汚染の見過ごされていた発生源

Organic fertilizers are an overlooked source of microplastic pollution
4-Apr-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-04/aaft-ofa040218.php
廃棄物をリサイクルして作る有機肥料のマイクロプラスチックを調べた。全ての肥料にマイクロプラスチックが含まれていたがその量は処理法や種類によって異なる。Science Advancesに発表。

  • 子どもの難燃剤への暴露は段階的使用中止後減っている

Childhood exposure to flame retardant chemicals declines following phase-out
4-Apr-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-04/cums-cet040218.php
Journal of Exposure Science and Environmental Epidemiologyに発表されたコロンビア大学公衆衛生大学院子ども環境健康センターの研究。センターは以前PBDE暴露と子どもの集中力の問題と発達スコアの低さに関連づけている。1998年から2013年の間の15年間で、子どもから検出されるPBDEsの濃度は有意に下がった。難燃性基準を満たすために家具にPBDEsが使用されていたのは1975年から2004年の間で、北米が最も多く使用された。
(減ったのなら喜ばしいかというと代わりのものが増えてるので心配だそう)

  • 予防接種率を上げるには気持ちを変えるのではなく行動を形作るほうが効果的

Shaping behavior, not changing minds, more effective in boosting vaccination rates
4-Apr-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-04/uoca-sbn040418.php
医師の再確認、督促、障害を減らすことがより多くの予防接種につながる
Psychological Science in the Public Interestに発表された予防接種に関する心理学の科学文献の包括的レビュー。「予防接種率を上げることにつながるような方向に人々の信念や知識を変更できることを示唆する根拠はほとんど無い」と共著者のAllison Kempeはいう。「一方信念を変えようとはせずに行動を変えるように直接予防接種を推進する介入のほうが効果的である」。例えば予防接種をしましたかと電話をかけたり郵便やメールを送る、プライマリケアの場所で患者に予防接種の必要があることを規定として定めて宣言する、政策レベルでは学校や保育園に通うには予防接種を必要とする、など。
ワクチン拒否の親は3%以下と少数だがメディアやソーシャルネットワークでは非常に大きな影響を与えている。予防接種の科学を受容していても受け損ねている人たちもいる。予防接種拒否の信念を変えようとしたり彼らと議論することは予防接種率を上げることにつながらない。間違った情報を否定すると間違った信念が強化されることがあるので注意が必要である。間違った情報に対抗するには信念を覆そうとするより事実を明確に述べるほうが良い場合が多い。