食品安全情報blog過去記事

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論文

Multivitamins do not promote cardiovascular health
10-Jul-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-07/aha-mdn070518.php
Circulation: Cardiovascular Quality and Outcomesに発表された18研究の新しい解析によると、マルチビタミン・ミネラルサプリメントの使用は心臓発作、脳卒中、心血管系による死亡を予防しない。主著者のJoonseok Kim医師は「心臓発作、脳卒中、心血管系による死亡を予防するためにマルチビタミンやミネラルを使用することには臨床上の利益が発見できなかった」という。
米国FDAによれば、医薬品と違って、ダイエタリーサプリメントは販売前に安全性や有効性を認可される必要はなく、病気の診断や治療や予防効果を宣伝することもできない。
マルチビタミン・ミネラルサプリメントはほどほどの使用なら害はないかもしれないが、心臓の健康を守るためには個々人のリスク要因を理解してリスクを減らすため効果があることが証明された対策をとることを強く薦める。それは健康的食事や運動や禁煙、血圧や血中コレステロール濃度の管理などを含む。米国心臓協会は心血管系疾患予防のためにマルチビタミン・ミネラルサプリメントを使うことは薦めない。

  • 米国がん学会は21世紀のがん対策の青写真を描く

American Cancer Society outlines blueprint for cancer control in the 21st century
10-Jul-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-07/acs-acs070518.php
社会経済的不平等をなくすことが米国のがんによる死亡の1/4を予防できる
CA: A Cancer Journal for Cliniciansに発表される一連の論文。
もしすべてのアメリカ人に大学卒業程度の教育があれば。

  • テストステロン処方はここ数年で急激に低下

Testosterone prescriptions have sharply dropped in the past few years
10-Jul-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-07/uotm-tph070918.php
JAMA。米国では2001年から2011年の間にテストステロンの使用が3倍になった、主に明確な適用のない男性で。しかしテストステロンの使用が心臓発作と脳卒中に関連するという報告の後有意に減っている。
(2014年にFDAが安全性情報を発表している。「男性更年期」は短いブームに終わったようだ。いいかげんなこと言って保険の効かない「治療」をしている病院はあるようだが。)

Vitamin D no defense against dementia
10-Jul-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-07/uoa-vdn071018.php
Nutritional Neuroscienceに発表された系統的レビュー。ビタミンD多発性硬化症パーキンソン病アルツハイマー病、その他脳に関連する疾患の予防にはならない。
過去の研究で神経変性性疾患の患者は血中ビタミンD濃度が低い傾向があることが報告されていたため、ビタミンDサプリメントを摂れば良い影響があるのではと考えられた。しかしそうではなさそうだ。

  • 新しいヒト試験:レッドラズベリー摂取後の血管機能の短期改善

New human study: Short-term improved vascular function after consuming red raspberries
10-Jul-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-07/wh-nhs070918.php
Archives of Biochemistry and Biophysicsに発表された米国加工ラズベリー協会の資金提供を受けた研究。
10人の18-35才の健康な男性に冷凍ラズベリー200-400gで作ったドリンクを飲んでもらって2時間と24時間後の血管機能を血流依存性血管拡張反応を指標にして測定
(簡単な試験で結果も凡庸なのに宣伝がすごい。実験そのものよりマーケティング会社への支払いが多そう。こういうのが多いので食品に関するニュースは信頼できないといわれる)

  • 養殖サケの胡散臭い化合物

Fishy chemicals in farmed salmon
10-Jul-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-07/uop-fci071018.php
Environmental Science & Technologyに発表された、ポリ臭化ジフェニルエーテル類(PBDEs)と呼ばれる合成難燃剤のサケ中存在についての研究。環境汚染の高い地域では飼料の影響はあまり重要ではないが、環境規制が行われているところでは飼料のほうが重要。