食品安全情報blog過去記事

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その他

  • イチゴ妨害工作危機が北部特別地域(NT)に拡大

Strawberry sabotage crisis spreads to the Northern Territory
September 21, 20183:16pm
https://www.news.com.au/lifestyle/food/food-warnings/strawberry-sabotage-crisis-spreads-to-the-northern-territory/news-story/60c4e8816f12a64d4950ebb8e89e0c26
中に針が入ったイチゴが新たにNTで見つかった。警察が確認した。模倣犯だろう。
全国で各種果物に縫い針が見つかる騒動により一連のスーパーマーケットのリコールが行われ、ニュージーランドで反オーストラリア産イチゴの販売を暫定的に禁止した。警察には100件以上の事例が報告されている
少なくとも二人の若者が警察に取り調べを受けたが相次ぐ模倣犯でもともとの犯人を見つけるのには苦労している。主要オーストラリアのスーパーマーケットチェーンは縫い針の販売を止めた

  • 偏食の子どもでも健康的に育つ−あたらしい研究

Children who are picky eaters still grow up healthy – new research
September 20, 2018
https://theconversation.com/children-who-are-picky-eaters-still-grow-up-healthy-new-research-102956
ブリストル大学の90年代のこどもたち研究。研究者らは偏食の定義や、誰が偏食なのかを同定するのになかなか合意できず、そのことが異なる研究の比較を困難にし全体的結論を出すのが難しかった。それでも一般論として、偏食の人は特定の食品を強く好みよく知らないものは食べたがらない。偏食は多くの親にとって不安とストレスの原因である。
0年代のこどもたち研究ではブリストルで1990年代初期に生まれたこどもたちの発育を追跡した。3才の時に偏食だったこどもたちは、偏食でないこどもたちに比べて野菜や果物、肉を食べる量が少ない傾向があり10-13才でも続いていたが身長・体重は正常だった
(昆虫食べる人から見たら私は偏食だろうし、何をもって偏食とするのかは難しいだろう。)

  • コーネルのレビューは食品研究者の学問的不正行為を発見

Cornell review finds academic misconduct by food researcher
September 20, 2018
https://nationalpost.com/pmn/life-pmn/cornell-review-finds-academic-misconduct-by-food-researcher
調査の結果データの誤報告などの不正が見つかったため著名なコーネル大学の食品研究者Brian Wansinkが辞職したと大学が木曜日に発表した。
全ての教職と研究職務から排除され来年度の終わりに退職するとコーネル大学が述べている。前日に論文6報取り下げ、他7報がこれまで取り下げられている

Big nutrition research scandal sees 6 more retractions, purging popular diet tips
Beth Mole- 9/21/2018
https://arstechnica.com/science/2018/09/six-new-retractions-for-now-disgraced-researcher-purges-common-diet-tips/
これにより、食べる量を少なくするために小さな食器を使うとかスナックは手の届きにくいところに、空腹の時に買い物に行かないといったようなたくさんの常識的ダイエットのコツもまたゴミ箱行きとなる
彼の研究への疑惑は彼自身のブログへの投稿で、学生に上手くいかなかった実験の結果から統計学的詐欺的手法を用いて結果を出すよう薦めたことに端を発する。そのような意味のない統計の誤用は既に学術の世界では問題になっていて多くの研究者やブロガーがWansinkの論文を精査しはじめた

http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20180301#p8の続報)

SMC UK
expert reaction to research on high gluten intake during pregnancy and type 1 diabetes in children
September 20, 2018
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-research-on-high-gluten-intake-during-pregnancy-and-type-1-diabetes-in-children/
妊娠中のグルテン摂取量と1型糖尿病の関連についてのBMJに発表された研究への反応
Lincoln大学生命医科学上級講師で内分泌学会会員Matthew Simmonds博士
1型糖尿病には遺伝的要因と環境要因があるが環境要因についてはあまりよくわかっていない。この大規模研究では初めて妊娠中の母親のグルテン摂取と子どもの1型糖尿病発症を関連づけた。しかし1型糖尿病を発症する子どもの数が少ないこともあって意味は比較的小さい。従って興味深いが確認が必要である。仮に将来グルテン摂取と1型糖尿病に関連が確認されたとしても、それは必ずしもグルテンそのものが原因であることを意味しない。妊娠女性にこの知見に基づき食事の変更を助言するのは時期尚早である
Manchester大学母子健康上級講師Jenny Myers博士
これも興味深い研究である。理由を説明できるメカニズム研究が無い。これを根拠に女性は食生活を大幅に変えるべきではない。妊娠中はバランスのとれた食生活が重要で、現在グルテンを排除すべきという根拠はない。

  • そう、一部の人はほんとうにサラダを足すと食事の総カロリーが減ると信じている

Yes, Some Actually Believe Adding Salad Lowers a Meal's Calorie Total
By Erik Lief — September 20, 2018
https://www.acsh.org/news/2018/09/20/yes-some-actually-believe-adding-salad-lowers-meals-calorie-total-13428
Giles Yeo博士による新しい本「遺伝子食:肥満の科学と食事法の真実Gene Eating: The Science of Obesity and the Truth About Diets」の紹介
特に「ネガティブカロリー幻想」について
2010年の研究で知られるようになった概念で、体重を気にしている成人が一貫して「ヘルシー」な食品をそうでない食品と一緒に提示されるとその「ヘルシーでない」食品のカロリーを低く見積もるという現象。人々は不健康な食品に健康的な食品を加えると食事の総カロリーを減らすと直感的に感じている。例えばチーズバーガーにセロリを3本組み合わせると、チーズバーガーだけの場合よりカロリーを少なく感じる。もちろんそれはありえない。
(健康ハロー効果とは別なのかな、日本人ではどうなのかな)