食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 木や石炭で調理することは呼吸器疾患や死亡リスク増加に関連

Cooking with wood or coal is linked to increased risk of respiratory illness and death
21-Sep-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-09/ats-cww091718.php
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicineに発表された中国での研究。
(電気は偉大)

  • よくある除草剤がミツバチの死亡と関連

Common weed killer linked to bee deaths
24-Sep-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-09/uota-cwk091918.php
PNAS。グリホサートに暴露されたミツバチは腸内の善玉細菌の一部を失って病原菌に感染しやすくなるのではないかという主張。濃度の記載無し。
(ミツバチのマイクロバイオームなんてまだ研究途上だと思うけれどとにかくグリホサートを使うなと言っている。メディアが多数報道)

  • 身長は静脈瘤のリスク要因かもしれない、スタンフォードの主導する研究が発見

Height may be risk factor for varicose veins, Stanford-led study finds
24-Sep-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-09/sm-hmb091918.php
Circulationに発表された40万人以上の遺伝子を調べた研究
(身長なら遺伝子を調べなくてもわかるんだけど、というのが面白い)

  • 健康を増進する飲酒量は存在しない

No level of alcohol consumption improves health
Robyn Burton, Nick Sheron
THE LANCET Comment|Volume 392,ISSUE 10152, P987-988, September 22, 2018
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(18)31571-X/fulltext
オープンアクセス

Offline: The death and rebirth of globalism
Richard Horton
THE LANCET Comment|Volume 392,ISSUE 10152, P996
グローバリズムの死はグローバルヘルスの死を意味する
政治科学者Ian Bremmerが「我々と奴ら:グローバリズムの失敗Us vs Them: the Failure of Globalism (2018)」で定義するグローバリズムは「世界中がお互いに依存しあい国際的に交流することが繁栄への道、という信念」である。その考えが壊れつつあるという。Bremmerの悲観論は理解できる。しかしその潮流に抗うためにグローバルヘルスを使おうとする国々もある。日本は健康を世界の問題として常に最優先事項として提示してきた。国際協力はまだ死んでいない
(たまには日本が誉められる)

  • 「Big Fat Surprise」のレビューは著者の主張に疑問を提示すべき

Review of Big Fat Surprise should have questioned author's claims
Henry Blackburn et al.,
THE LANCET Correspondence|Volume 392,ISSUE 10152, P1014,
我々は7ヶ国研究を調整し異なる文化や食習慣の人々の心血管系疾患のリスク要因を調べている。その我々がNina Teicholzによる「Big Fat Surprise」の書評を読んで当惑している。
(脂肪悪者説が間違いだったという本を巡って。一般向けではあるが引用論文多数で何年も学術雑誌でも議論が交わされる。日本の本だとそもそも引用論文すらないのがほとんどで議論にすらならない。)