食品安全情報blog過去記事

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IARCモノグラフ計画は無煙タバコがヒトに対して発がん性があると結論

IARC MONOGRAPHS PROGRAMME FINDS SMOKELESS TOBACCO IS CARCINOGENIC TO HUMANS
16 November 2004
http://www.iarc.fr/pageroot/PRELEASES/pr154.html
IARCモノグラフワーキンググループは科学的文献の精査の結果、無煙タバコはヒトに対して発がん性があると結論した。同時にワーキンググループはタバコに含まれるニトロソアミンであるNNNとNNKについてもヒトに対して発がん性があると結論した。
新しいIARCモノグラフ(89巻)はあらゆる形のタバコについての評価を行っている。先のIARCモノグラフ(83巻・85巻)ではタバコの煙、受動喫煙、タバコと一緒に噛むキンマ葉についてもヒトに対して発がん性があると結論している。タバコは明らかに20世紀最悪の公衆への健康災厄である。

無煙タバコ
米国・インド・パキスタンスウェーデンの疫学研究から、無煙タバコは人に口腔ガンを誘発することが明らかである。また米国とノルウェイの研究結果からは無煙タバコが膵ガンを誘発することも明らかである。ワーキンググループはこの結論に至るにあたり偶然やバイアスや交絡因子の可能性を排除できた。無煙タバコはラットでは複数の部位のガンを誘発する。この研究の詳細は完全な形では来年のモノグラフで提供されるが、要約はThe Lancet Oncologyの12月号に発表される。
http://oncology.thelancet.com、オンラインでは11月29日から入手可能。)

タバコに含まれるニトロソアミン
喫煙者は様々な量のニトロソアミンに暴露されている。それらは主にタバコの加工工程などでニコチンや他のタバコアルカロイドのニトロソ化により生成し、吸っているときにもさらに生成する。
NNNとNNKは無煙タバコに含まれる最も量の多い強力な発がん物質で、喫煙者でこれらが摂取され代謝活性化されていることは明らかである。NNNとNNKが複数の動物種で複数の部位のガンを誘発するという研究は数多くあり、疫学調査からも、無煙・有煙両方のタバコによる発がんにNNNとNNKが関与することが示唆される。喫煙者にはDNAやヘモグロビンに(NNNとNNKの)付加体が共通して検出されることから、ワーキンググループではこのメカニズム情報から結論に至った。



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