食品安全情報blog過去記事

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ヨーロッパにおけるダイオキシン問題の現状

16.11.2004 - Current State of the Dioxin Problem in Europe
http://a144.bitblit.fi/show_inform.php?inform_id=244&lang=3&back=inform_frontpage.php%3Flang%3D3%23a244
食品・飼料工場でのカオリン使用による事件でオランダ当局は調査報告書を発表した。
通常の牛乳中ダイオキシン含量検査において、乳脂肪中ダイオキシン規制値最大3pgTEQ/g脂肪のところ20pgを検出した。このため原因を調査し農場で使っていた飼料が、ダイオキシンを含むカオリンを選別に用いていたジャガイモ工場の商品を含むことがわかった。
このような加工助剤に関してEUは特に規制値をもたない。一方飼料用のカオリンについては0.75 pg TEQの規制値がある。ジャガイモの選別の他にニンジンやカブ、ビートの根の選別に利用された少なくとも二種類の粘土がこの事件に関与している。
上記の粘土を加工に用いたいくつかの企業が同定され、11月3日にこの粘土を使うことを禁止されている。
報告書によれば粘土使用に関わる製品は多数ある。ジャガイモやジャガイモの皮は飼料に、またデンプンに加工された。食品にも利用された。また使用済み粘土は記録はないが土壌や環境に放出されたと考えられる。
この飼料を使っていたのは最初の酪農場だけではなく、他の農場でもカットしたジャガイモや液体状のデンプンなどをブタや子牛の飼料に使っていた。牛乳中ダイオキシン濃度の高かった農場の近傍の農場でもダイオキシン量の上昇が認められたが全て規制値以下であった。調査の間全部で197の農場が閉鎖された。
健康担当省はこの事態は消費者にはリスクはないとしている。
ベルギーでも同様の調査が行われ、消費者へのリスクはないとしている。
ドイツでは粘土の輸出と使用についても調査が行われた。販売先はオランダ・フランス・ベルギー・ドイツで、粘土を使って選別したジャガイモの使用はドイツの26養豚場でみつかっている。またフライドポテトのサンプルも集めており、結果が待たれる。
フランスでは7つの工場で粘土の使用が発見され、副産物は飼料としてベルギーに販売された。



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