食品安全情報blog過去記事

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新規食品としてのエノバオイルに関するNDAパネルの意見

Opinion of the NDA Panel on Enova oil as a novel food
22 December 2004
http://www.efsa.eu.int/science/nda/nda_opinions/752_en.html
Archer Daniel Midland(ADM)社より調理用油やマーガリン・マヨネーズなどの成分としてのエノバオイルの新規販売の認可申請があった。オランダ当局がヒトが食べても安全と結論したが、他のいくつかの国が懸念や反対意見を表明し、そこでさらにADMより提出された安全性データにスペイン以外は満足した。
EFSAはこの件に関して、特にスペインからの反対意見について科学的意見を求められた。エノバオイルは少なくとも80%のジアシルグリセロールを含み、最大20%のトリアシルグリセロール、最大5%のモノアシルグリセロール、微量の抗酸化剤を含む。主な脂肪酸組成は食用大豆油及び菜種油由来のオレイン酸リノール酸リノレン酸である。ジアシルグリセロールは不動化したリパーゼの存在下での脂肪酸とグリセロール又はモノアシルグリセロールのエステル化反応により合成される。同様の油(エコナ)が1999年2月以降日本で、2003年1月以降米国で販売されている。
委員会はこの評価を合成原料である油が遺伝子組換え植物由来かどうかによらず、この油の安全性のみについて行った。
申請者はこの新しい油の性質や製造工程、原料植物の由来、これまでのヒトでの食経験、栄養学的・微生物学的・毒性学的データなどを提出し、レジン基盤に不動化したリパーゼによる有害物質の混入はないことや低pHや高温での安定性は通常の油脂と同等であることなどを示した。ヨーロッパでの油脂の消費状況から平均的消費量を51g/日、体重70kgの人で0.7g/kg/dayと計算した。
エノバオイルと、同等の脂肪酸組成の通常の油(トリアシルグリセロール)は栄養学的に等価で、毒性データからも通常の油と比較して何ら特別な影響はない。(体重も変わらない)
委員会は、この製品はトランス脂肪酸含量を通常の植物油レベル(1%未満)まで下げたうえで、食べても安全であると結論した。さらにこの成分を乳児用ミルクやフォローアップミルクには使わないことを注意した。


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