食品安全情報blog過去記事

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動物飼料中汚染物カンフェクロールCamphechlorに関するCONTAMパネルの意見

Opinion adopted by the CONTAM Panel on 1 February 2005
16 February 2005
http://www.efsa.eu.int/science/contam/contam_opinions/803_en.html
カンフェクロールは非全身性の殺虫剤でダニ駆除作用もあり作物や動物に使われていた。かつては最も多く使われていた殺虫剤で、1970年代初期にDDTに主役を譲った。現在はカンフェクロールの使用はほとんどないが、ある種の同族体は分解されにくいことから広く検出され、魚や海獣・海鳥などに比較的高濃度に検出される。
経口摂取されたカンフェクロールは消化管から速やかに吸収され生物の脂肪に分布する。また胎盤を通過し乳汁中にも移行する。魚・鳥・ほ乳類で神経毒性が報告されている。他に肝・甲状腺・免疫系に有害影響が生じる。
養殖魚中のカンフェクロールの暴露源は魚油やフィッシュミールで、ヒトの暴露は主に脂肪分の多い魚を食べることにより、推定暴露量は1-25ng/kg bw/dayである。魚をたくさん食べる人では60 ng/kg bw/dayになることがあり得るが、アカゲザルでの33週間試験によるNOAEL100 microg/kg bwからはこの濃度では健康影響はないと考えられる。
カンフェクロール汚染の指標としては同族体CHB 26, 50 及び62が利用でき、最も毒性が高いものの一つであるCHB 42、さらにCHB 40, 41, 及び 44、最近の汚染の指標としてCHB32を分析対象にすべきである。
家畜飼料中のカンフェクロールについてのデータや同族体特異的毒性などのデータはない。


EU プレスリリース