食品安全情報blog過去記事

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消費材に関する科学委員会SCCPによる化粧品中パラベンと乳ガンに関する意見

Risk Assessment: Scientific Committee on Consumer Products:
Scientific Committee on Consumer Products opinion on Parabens, underarm cosmetics and breast cancer
http://europa.eu.int/comm/health/ph_risk/committees/04_sccp/docs/sccp_o_00d.pdf

パラベン(4-ヒドロキシ安息香酸4-Hydroxybenzoic acid、その塩及びエステル)は化粧品規制76/768/EEC, Annex VI, part 1, reference 12により規制されており、その保存料としての使用は最大最終製品中1エステルとしては0.4%、エステル混合物としては0.8%まで使用できる。この化合物は記号(+)として販売されており、上記規制以上に保存剤以外の目的で製品に添加されているかもしれない。
1999年2月17日にこうした保存剤以外の目的での(+)と表示された化合物の使用についても規制を行うべきだという意見が出された。
ECは脇の下用の化粧品と乳ガンの関連についての報告とそれに対する科学的批判を受け取り、評価を行った。
DarbreとHarveyは脇の下用の化粧品と乳ガンリスクに関する論文を多数出版しており、その考察として、脇の下用化粧品は乳腺に近いところに高頻度に使用され、洗浄されず蓄積しやすいこと、パラベンは化粧品の99%に含まれ弱いエストロゲン活性があることなどを挙げている。こうした報告には多数の反論が寄せられ、研究デザインの重大な欠陥や疫学データからは脇の下用化粧品と乳ガンの関連は否定されていることなどが指摘されている。
SCCPはこれらの報告を精査し、現時点の科学的データからはパラベンを含む脇の下用の化粧品の使用による乳ガンリスクの証拠はないと結論し、従って現行のパラベン規制値を変更する必要はないとした。