食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

食品と飼料に関する迅速警報システム(RASFF)の2004年年次報告書

RASFF annual report 2004
updated April 2005
http://europa.eu.int/comm/food/food/rapidalert/report2004_en.pdf
RASFFネットワーク加盟国は2004年5月1日に28か国(25のEU加盟国とノルウェイアイスランドリヒテンシュタイン)になった。
2004年の警報Alertは691件、情報Informationは1897件であった。それぞれの情報に対して詳細等のフォローアップ情報が流されるが、それら「追加情報」は警報については1448件、情報については1329件であった。
2004年に注目された項目としては
アフラトキシン
アフラトキシンに関する通知は844件で2003年の763件、2002年の288件より増加している。そのうち538件がピスタチオで、主にイラン産(487件)であった。他に中国(62件)・アルゼンチン(27件)・インド(24件)産ピーナッツ、トルコ産ヘーゼルナッツ(24件)及び乾燥イチジク(35件)、パプリカ粉末(16件)などから常に報告されている。イラン産ピスタチオからの検出の多さは問題であり、EUは新たに規制措置をとっている。
ダイオキシン
2004年にはダイオキシン汚染に関する情報は5件のみであった。秋のオランダのミルク中ダイオキシンレベルの上昇についてはその後カオリナイト粘土の汚染が明らかになり、RASFFの機能が発揮された。
カドミウムと水銀
魚介類の規制値を上回るカドミウムについては43件の報告があり、2003年の103件の半分以下であった。主な種類はメカジキswordfish(24件)で、他にイカやタコなどの頭足類が11件あった。メカジキの水銀は30件であった。
メカジキのカドミウム規制値は0.05mg/kg、頭足類は1.0mg/kg、メカジキの水銀規制値は1.0mg/kgである。ただし2005年2月からメカジキのカドミウム規制値は0.3mg/kgに変更されている。
・動物用医薬品
動物用医薬品の残留についての報告は2004年は2003年より減少している。報告があった輸入品は全て東アジアの海産物で、ベトナムナマズ及びティラピアからのマラカイトグリーン甲殻類からのニトロフランなどである。EU域内では蜂蜜からの抗生物質の検出が増加している。
・無許可色素Sudan I及びSudan IV
2003年にトウガラシ及びトウガラシ製品のSudan Iについての規制が設けられ、2004年にさらに対象を拡大した。RASFFにはSudan色素汚染に関する情報は多数報告されている。トウガラシ及びトウガラシ製品についてはSudan Iは282件、Sudan IIとIIIが各1件、Sudan IVが78件。スマックSumacはSudan Iは3件、Sudan IVが6件。パーム油はSudan I、II、IIIが各1件でSudan IVが50件であった。
・魚からのListeria monocytogenes
41件、そのうち29件はスモークサーモンでデンマーク産が19件、ドイツ産が10件であった。
・エビの亜硫酸塩
53件、そのうち31件は調理済みエビである。規制値は50mg/kg
・マグロのヒスタミン
魚中ヒスタミンについては39件の通知があり、そのうち31件がマグロであった。多くの場合オランダで真空包装されたチルド製品であり、21件はマグロはインドネシア産である。魚中のヒスタミンについては新しい規制が準備中である。
・鮮魚のアニサキス
イタリアが41回通知している。主にノルウェイデンマーク産のサバ、英国産アンコウである。
・飼料
飼料についての通知は65件で全体の2.5%であった。