食品安全情報blog過去記事

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“内分泌かく乱物質評価事業成果及び今後推進戦略”発刊配布

(2005.06.24)
http://www.kfda.go.kr/cgi-bin/t4.cgi/intro/bodo.taf?f=user_detail&num=764
食品医薬品安全庁国立毒性研究院は去る 1999年以後 6年間進行して来た内分泌かく乱物質評価事業の成果及び今後の推進戦略を記載した報告書を発刊すると 24日発表した。
この報告書は過去6年間の事業を詳しく分析・検討して、国際的な研究動向と比較して今後推進すべき内分泌かく乱化学物質評価事業戦略を提示している。
この報告書に記載された過去6年間の主要事業とは以下のようである。

○ 代表的な内分泌かく乱化学物質と推定されるダイオキシンについて
・国内食品の汚染実態を調査した結果、平均値で0.001〜1.724 pgTEQ/gの水準であり、日本などの外国の結果と大差はなく、人体に影響はない水準であった。
・2002年から2004年まで行った母乳中ダイオキシン及びPCBモニタリングではそれぞれ平均7.21 及び 3.33 pg/TEQ/g 脂肪の水準でアメリカ・ヨーロッパなどの平均値より低かった。
○プラスチック可塑剤として広く使われているフタル酸類について
・ PVC材質の医療機器にISOのDEHP溶出基準を適用するための基盤を作成し、食品用器具及び容器・包装製造にDEHAの使用を禁止する措置の際の政策支援資料となった。
○ 缶飲料のコーティング剤などとして知られるビスフェノールAについて
・神経毒性及び免疫毒性影響を調査した結果、未成熟ラットの神経行動障害やマウスの白血球及び脾臓細胞数減少などの影響があった。
・人体影響を調査するため、韓国内男性40人、乳ガン患者100人の血液及び小児内分泌疾患患者74人の尿を対象に調査を行ったが、ビスフェノールAと内分泌障害との関連性は観察されなかった。
○ 洗剤に使われるアルキルフェノールについて
・国内の食品・容器包装中ノニルフェノール汚染状況は日本などの外国と同程度だった。
動物実験ではラットの子宮重量増加などのエストロゲン様効果が観察された。
○その他船舶用塗料TBT(tributyltin) 及び植物性エストロゲンなども動物実験で内分泌毒性誘発の可能性が観察された.


今後の 5年間(2005年−2009年)の推進戦略については「内分泌かく乱物質に対する科学的で合理的な管理基準作成のための総合的な管理方案確保』を推進目標にして 7分野別推進事業を計画した.
○ まず人体試料中の内泌かく乱物質モニタリング事業は今までの短期間小規模研究を脱皮して中・長期的な大規模事業を推進する計画である
○ 国際的な水準の内泌かく乱物質検索試験法を確立するために OECDとの国際協力研究を継続的に実施して、OECD ガイドライン作成に積極的に参加する計画である。 また最近 OECD などで論議中の先端生命工学技術であるゲノミクス技術などを利用した内泌かく乱物質評価技術を開発する計画である
○ 内泌かく乱物質が人体に及ぼす影響を調査する研究では今までの単位事業別課題遂行だけでは体系的で総合的な結果を導出しにくいと判断されるため「人体影響研究センター」を運営して効率的で体系的な研究を遂行する計画である
○ 危害性評価研究ではまず危害性評価方法論を確立して、評価に活用することができる国内・外資料の収集と管理体系を樹立し、さまざまな危害性評価の観点で得られたデータとともに暴露状況を考慮して総合的な危害性評価をする計画である
○ 対国民広報及び教育については、 国民に曖昧な不安を与えないように信頼性が高い最新情報を積極的及び持続的に提供する計画である。

  • ホームページを活用して一般国民に分かりやすい情報提供を行うと同時に妊婦及び子供などを対象にした特化した情報提供を行う

EurekAlertより