食品安全情報blog過去記事

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BMJは科学の詐欺を調査する国際協調の欠如を取り上げる

BMJ highlights lack of international cooperation to investigate scientific fraud
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2005-07/bmj-bhl072705.php
今週号のBMJで、1992年に発表されたインドのRam B Singh博士らの論文の妥当性について懸念を表明している。さらにR K Chandraが今年はじめに論文を取り下げた件についても指摘している。
1992年のSingh博士らの論文は食事の心臓へのいい影響についてのもので、発表されるとすぐ同じ著者のほかの論文についても疑問の声が寄せられた。著者からの回答がなかったのでBMJの編集者はインドの当局に調査を依頼したがどこもそのような仕事は行わなかった。Singh博士らの論文のひとつを統計学的に解析した結果、彼らのデータは偽造または変造されたものであると結論された。
こうした実りのない何年もの時間を費やしたことについて、今後どうすべきかなどを議論している。
Suspected research fraud: difficulties of getting at the truth BMJ Volume 331, pp 281-8
BMJのサイトから全文読める
http://bmj.bmjjournals.com/

(R K Chandra博士はカナダのMemorial University of Newfoundlandの著名な研究者で、サプリメントアルツハイマーや免疫系などに効果があるという論文を栄養関係の一流紙に多数書いていて米国で販売されているマルチビタミンサプリメントの特許を持っている。現在は退職してインド在住。
Ram B Singh博士はCoQ10カルニチンが心血管系疾患に有効というような内容の論文をたくさん書いている。)