食品安全情報blog過去記事

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柔らかいPVC食品包装フィルムの可塑剤として使用されるジ(2-エチルヘキシル)アジピン酸(DEHA)に総換算係数5を適用することについての意見

Opinion of the AFC Panel on the application of a Total Reduction Factor of 5 for di(2-ethylhexyl)adipate used as plasticiser in flexible PVC food packaging films
28 September 2005
http://www.efsa.eu.int/science/afc/afc_opinions/1155_en.html
食品と接触する物質から食品へ溶出する物質のヒト暴露量推定はヒト1人が1日1kgの包装された食品を食べるとみなして行われている。しかし脂肪の場合、ヨーロッパの成人における一日脂肪摂取量は200gを超えることはない。これを考慮して脂肪食品への移行値は脂肪(消費)換算係数FRF 1-5で補正を行っている。
食品と接触する物質からの脂肪食品への移行は脂肪類似物としてオリーブオイルを用いて推定する。オリーブ油は他の多くの脂肪の多い食品より大量の移行物質を抽出することが知られている。そのためオリーブ油を用いた移行値(類似物D)は換算係数DRF 1-5で補正される。総換算係数TRFFRFDRFの積で得られるが5を超えてはいけない。
AFCパネルは、可塑剤を入れたPVCフィルムからの移行実験の結果からはDEHAの換算係数は全ての使用方法について5を用いることができないと結論した。