食品安全情報blog過去記事

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テフロン加工調理器具についてのQ&Aセレクション

消費者向け情報
Selected questions and answers about cookware and roastware with a non-stickcoating BfR Consumer Information,
1 November 2005
http://www.bfr.bund.de/cd/7024
くっつかない加工をしてある調理器具は洗いやすく脂肪分を抑えた調理ができる。しかしコートははがれやすいので、調理の際に食品をかき混ぜる時は木製かプラスチック製のへらを使用すべきである。コートにはテフロンTeflonとして知られているポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が使用されている。
PTFE処理調理器具は加熱しすぎると有害な煙を出して健康に悪影響があることがある。適切に使用されればそうした問題はない。
BfRはテフロン加工調理器具についてのFAQについてまとめた。


Q. PTFEとは何か?
PTFEはポリテトラフルオロエチレンの略語である。この物質は様々な商品名でくっつかない調理器具などに使われている。PTFEコートされたフライパンなどの表面はわずかに蝋状である。PTFEは熱や化学物質に耐性があり、可燃性ではない。360℃以上の温度でヒトに対して有害な煙を出す。


Q. 他にPTFEが使われているのはどこか?
PTFEの最も良く知られた使用目的はくっつかない調理器具であるが、他にも使われている。PTFEは化学的に安定なので反応性の高い化学物質と併用される。ホースやシールや合成部品のコーティング、航空機や医療用、デンタルフロス、ピアスなどにも使われている。


Q. PTFE加工調理器具を使うときの注意事項は?
過剰に熱することを避けるために、空のフライパンやポットを3分以上加熱しないこと。そうしないと360℃以上になってPTFEが分解して有害な蒸気が発生する。食品が入っている場合、過熱は起こりにくい。温度が高すぎる場合には食べ物が焦げる臭いで気がつくだろう。正しく使用した場合には調理器具から有害物質が食品に移行するリスクはない。


Q. くっつかない調理器具が過熱したときはどうやって見分けるのか?
食品が入っていれば、焦げた臭いがして食べ物は食べられなくなる。たとえば油が入っている場合は約270℃で煙が立ちはじめ、過熱の警告となる。


Q. 過熱により生じた蒸気の動物実験での影響は何か?
動物実験で影響のある最も低い温度は202℃で、この温度では小さなPTFE粒子がはがれ落ちて鳥に致死的影響がある。肺の解剖学的構造が違うため、鳥類はほ乳類よりはるかに感受性が高い。従ってそうしたデータはヒトにはあてはめられない。ラットに致死的な影響を与える物質を生じるには425-450℃の温度が必要である。PTFE超微粒子を15分ラットに吸入させると肺に傷害を与える。


Q. テフロン加工した調理器具のヒト健康リスクは何か?
調理器具を適切に使用していれば問題はない。またはがれ落ちた小さな被覆材を偶然食べたとしても問題はない。こうした粒子は吸収されないので体に何の影響もない。
しかしながら空の調理器具を過熱する間違った使用方法については警告を発する。
360℃以上の温度では有害な蒸気が生じる。それを吸入するとインフルエンザのような症状、いわゆるテフロン熱(ポリマー熱)が誘発される。ただしこうした症状を起こした例は、家庭よりも汚染物質濃度の高いPTFEの生産工場でのみ報告されている。



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