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繊維発ガンメカニズムとクリソタイルアスベスト代替品の評価に関するWHOワークショップ 2005年11月8-12日、リヨン の要約合意文書

WHO Workshop on Mechanisms of Fibre Carcinogenesis and Assessment of Chrysotile Asbestos Substitutes 8-12 November 2005, Lyon, France
SUMMARY CONSENSUS REPORT http://www.who.int/ipcs/publications/new_issues/summary_report.pdf
疫学研究が最も重要であること、次いでin vivo動物実験での肺ガンや中皮腫・肺線維症の誘発が重要。アスベストの研究からはラットの吸入実験での感受性はヒトより低いことが明白で、この感受性の違いは肺の大きさや寿命の長さに関係するかもしれないことが議論された。腹腔内投与試験は有用かもしれない。In vitro遺伝毒性試験での陰性の結果は物質本来の遺伝毒性がないことを示すことにはなるがマクロファージや炎症性細胞の反応による後の段階での遺伝毒性の可能性は否定できない。またそのような試験の対照用に使える完全に無害な繊維も知られていない。物質の化学組成はもちろん夾雑物や表面性状も重要である。吸入しやすさは主に繊維の経と密度による。
このワークショップでは繊維のヒト健康ハザードを大きく三つ・高・中・低に分類した。
パラアラミドpara-Aramid 中
アタパルジャイトattapulgite 長い繊維は高、短い繊維は低
カーボン繊維 低
セルロース 低 吸入されるものについては不確定
黒鉛ヒゲ結晶 不確定
硫酸マグネシウムヒゲ結晶 低又は不確定
ポリエチレン・ポリ塩化ビニル・ポリビニルアルコール 不確定
ポリプロピレン 不確定
オクタチタン酸カリウムpotassium octatitanate 高
合成ガラス繊維(グラスウールやミネラルウールなど) 生体内での持続性により、短いものは低、長いものは高
天然珪灰石 低
ゾノトライトxonotlite 低


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