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カルシウムとビタミンDサプリメントは骨には僅かに良いが直腸結腸ガンには効果はない

Calcium and vitamin D supplements offer modest bone improvements, no benefits for colorectal cancer
15-Feb-2006
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2006-02/nhla-cav021006.php
カルシウムとビタミンDサプリメントは閉経後の健康な女性に対して骨量については僅かに利益があり高齢者を含む一部の集団の大腿骨骨頭骨折予防効果があるが、他のタイプの骨折や直腸結腸ガンには効果はない。また腎石のリスク増加を伴う。
NEJMの2月16日号に発表された。
女性は閉経後の骨の健康のために適切なカルシウムとビタミンD摂取を助言されているが、これらサプリメントの骨折との関連は矛盾した報告が出ていた。WHIの36000人以上を対象にしたデータではカルシウムとビタミンDサプリメントは僅かではあるが有意に、大腿骨骨頭骨密度を1%高くした。試験中にサプリメント投与群は374人の女性が大腿骨骨頭骨折を起こし、年1万人あたり14人の率でプラセボでは16人で有意差はなかった。
最も良く見られた副作用は腎石で、サプリメント投与群では449人、プラセボでは381人だった。
使用したサプリメントは一日1000mgの炭酸カルシウムと400 IUのビタミンDである。
この結果をまとめると1万人の女性に1年間サプリメントを投与すると二人の大腿骨骨頭骨折が予防できて5人が腎石を発症することになる。
エディトリアル
NEJM Volume 354:750-752
Calcium plus Vitamin D for Postmenopausal Women ― Bone App tit?
NEJM Volume 354:752-754
Calcium plus Vitamin D3 Supplementation and Colorectal Cancer in Women
本論文
NEJM Volume 354: 669-683
Calcium plus Vitamin D Supplementation and the Risk of Fractures
NEJM Volume 354:684-696
Calcium plus Vitamin D Supplementation and the Risk of Colorectal Cancer