食品安全情報blog過去記事

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JECFA 66

要約と結論
JOINT FAO/WHO EXPERT COMMITTEE ON FOOD ADDITIVES Sixty-sixth meeting (Residues of veterinary drugs) Rome, 22 - 28 February 2006 http://www.who.int/ipcs/food/jecfa/summaries/summary66.pdf
ftp://ftp.fao.org/ag/agn/jecfa/jecfa66_final.pdf
(同じもの、WHOとFAOと両方から出てる)
以下の動物用医薬品についてのMRLが設定されている
コリスチンColistin ADI 0 7 μg/kg body weight,
エリスロマイシンErythromycin  ADI  0 0.7 μg/kg body weight,
フルメキンFlumequine  ADI   0 30 μg/kg body weight
酢酸メレンゲステロールMelengestrol acetate  ADI 0-0.03 μg/kg body weight
塩酸ラクトパミンRactopamine hydrochloride  ADI   0 1 μg/kg body weight
トリクロルホンTrichlorfon (Metrifonate) (殺虫剤)  ADI   0 2 μg/kg body weight
トリクラベンダゾールTriclabendazole (駆虫剤)  ADI  0 30 μg/kg body weight
他に重要なところ一部抜粋
ADIとMRLの導出について誤解があることから議論が行われている。
ADIはリスクアセスメントの最初の二つのステップ、ハザード同定とハザードキャラクタリゼーション(性質決定)、のアウトプットである。従ってこの値を超えなければ消費者へのリスクはほとんど無い、と考えられる健康に基づくガイダンス値である。
ADIの利用方法は多数有り、MRLを導出する助けになるというのはその利用方法の一つに過ぎない。MRLとADIは、リスクアセスメントにおいて異なる目的を持つ別々のアウトプットである。
ADIは毒性学的データから安全係数を用いて導かれるものである。MRLはADIから直接導出されるものではなく、農薬や動物用医薬品の使用条件やその使用による残留の程度、実際に使用できる分析法や推定される暴露量なども考慮した値である。最初にMRLは消費者保護に充分かどうかをもとに導かれ、その値が上述の他の因子を考慮して適正化される。消費者保護のためにJECFAは歴史的にはMRLの設定に保護的仮定(肉300g、肝臓100g、腎臓と脂肪50g、ミルク1.5L、卵100g)を用いてきた。それ以前には理論的最大一日摂取量を使用していた。今回この方法を改め、生涯暴露量をより良く反映させる推定一日摂取量(EDI)を使うことにした。


ADIとMRLについて、以下の報告書への回答がある。
次回以降ARfDの必要な化合物についての検討が行われること、残留動物用医薬品の定義を変更すること、ミルクの脂肪と全乳とにそれぞれMRLを設定すること、JMPRとの協調をすすめることなど
また動物用医薬品評価のためのツールとしてエクセルワークブックを基本としたソフトの採用を決めている。ツールは以下から説明文や例も含めてダウンロードできる。
http://www.fao.org/ag/AGN/jecfa/statistical_en.stm


FAO/RIVM/WHO workshop held in Bilthoven, the Netherlands, 7 - 11 November 2005
リスクアセスメントの基本原則と方法に関するワークショップ最終報告書 農薬と動物用医薬品のMRL
Final report from 2005 workshop on update of principles and methods of risk assessment - MRLs for Pesticides and Veterinary Drugs ftp://ftp.fao.org/ag/agn/jecfa/bilthoven_2005.pdf
現行のJECFAとJMPRによるMRL設定上の違い(JECFAは主に毒性学的データからMRLを設定しているのに対し、JMPRは適正農業規範GAPを念頭に有効濃度で使用すればどれだけ残留するかの試験データを主に使用している)などを精査し、いくつかの提言をしている。



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