Trans Fat
2006-06-27
http://www.hc-sc.gc.ca/iyh-vsv/food-aliment/trans_e.html
食品中トランス脂肪は心疾患リスクを増加させることが示されている。このリスクは、トランス脂肪含量が少ない、より健康的な食品を選択することで削減できる。
○背景
脂肪は必須脂肪酸やエネルギーの供給源として健康的な食生活の重要な一部である。 さらにビタミンA、D、Eの吸収を助ける。
油脂は主に脂肪酸からなる。脂肪酸には主に4種類あり、ほとんどの脂肪はこれら4種の混合物を含むが、特定の一種を高割合で含む。
○4種の主要脂肪酸とは
・多価不飽和脂肪酸
普通の植物油（大豆、コーン、ヒマワリ）、油分の多い魚（サケ、マス、サバ、キュウリウオ、ニシン）、魚油、亜麻仁、ヒマワリの種、大豆、ナッツ（クルミ）などは多価不飽和脂肪酸を多く含む。
・単価不飽和脂肪酸
オリーブ油、キャノーラ油、高オレイン酸ヒマワリ油、アボカド、ある種のナッツ（カシュー、ペカン、アーモンド、ピーナツ）は単価不飽和脂肪酸を多く含む。
・飽和脂肪酸
ココナツ、パーム、パームカーネル油、動物脂肪（ポークやビーフ）、バター、チーズその他の乳製品は飽和脂肪酸を多く含む。
・トランス脂肪酸
天然にある種の食品（乳製品、ビーフ、ラム）には微量含まれる。さらに液体植物油（キャノーラや大豆油）の精製時に微量生じる。また「部分硬化」と呼ばれる工程でも生じる。この工程は液状の油をショートニングやマーガリンなどの半固形にする。
飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を多く含む油脂で作られた食品はその他の脂肪酸を多く含む油で作られた食品より長持ちする。また飽和脂肪酸やトランス脂肪酸は焼き菓子やスナック類に魅力的な食感や香りをもたらす。例えば焼き菓子が「口の中で溶ける」ように感じるのは飽和及びトランス脂肪酸のせいである。
○ 食事由来脂肪の健康影響
一般的に多価不飽和脂肪酸や単価不飽和脂肪酸は心疾患リスクを下げる。これらはより健康的な脂肪であり、食事から摂るべきである。飽和及びトランス脂肪酸は心疾患リスクを上げるので健康的でない脂肪である。
トランス脂肪が心疾患リスクを上げる原因は二つある。
・ トランス脂肪は血中悪玉コレステロール（LDLコレステロール）濃度を上げる。LDLコレステロールは心疾患のリスク因子である。
・ トランス脂肪は血中善玉コレステロール（HDLコレステロール）濃度を下げる。HDLコレステロールは心疾患から保護する作用がある
飽和脂肪酸も血中悪玉コレステロール濃度を上げる。しかしながら同時に善玉コレステロールも上げる。
○ トランス脂肪酸の主な摂取源
典型的カナダ人の食事のうちほとんどのトランス脂肪はマーガリン（特にハードタイプ）、ショートニングやマーガリンや部分硬化油で作った市販されている揚げた食品や焼き菓子由来である。これらにはクラッカー、クッキー、ドーナツ、ケーキ、ペストリー、マフィン、クロワッサン、スナック菓子、フレンチフライやパン粉をつけて揚げた食品などがある。これらの製品では脂肪含量のうち最大45%がトランス脂肪酸である可能性がある。
トランス脂肪酸は乳製品やビーフやラムなどに低レベル（2-6%）存在する。ある種の精製油には微量（0.5-2.5%）トランス脂肪酸が含まれる。
○リスクを最小化するために
トランス脂肪酸に関連する有害健康影響リスクを最小化するための最良の方法はトランス脂肪酸を含む食品を食べるのを減らすことである。
・ トランス脂肪が削減してある又は含まないことが確認できない市販の揚げ物や高脂肪焼き菓子類を避ける。
・ カナダの健康的な食生活のためのフードガイドに従う。このガイドでは低脂肪乳製品や脂肪の少ない肉、調理に油を使わない食品を選ぶことを勧めている。
・ 加工食品の表示を読む。2005年12月からほとんどの食品の「栄養成分」表示にトランス脂肪酸含量が義務づけられている。さらに「部分硬化油」表示に注意する。
この文句が表示されていたらその製品はトランス脂肪を含む。
・ トランス脂肪を含まない又は非硬化脂肪で作られたソフトマーガリンを選ぶ。
・ 食品は何度も揚げない。食品を揚げるときは単価不飽和脂肪を多く含む健康的な油を使う。2-3回以上使った油は使わない。
・ 外食するときはメニューにある食品のトランス脂肪含量を尋ねる
飽和脂肪もまた心疾患リスクを高めることを忘れないように。野菜や果物、魚、魚介類やその他のシーフード、全粒粉パンやシリアル、豆類、ナッツをたくさん食べることで飽和脂肪とトランス脂肪の両方の摂取量を減らすことができる。また多価不飽和脂肪酸や単価不飽和脂肪酸の多い油脂を選んでもいい。
最後に、子どもたちには健康的な食習慣をつけさせるように。子どもたちにはトランス脂肪や飽和脂肪の少ない健康的なおやつを食べるようにさせる。子どもに望ましい おやつには果物・野菜・ミルク・ヨーグルト・全粒粉製品などがある。
○カナダ政府の役割
カナダ政府は加工食品への栄養成分表示を義務づけ、カナダ人が健康的なライフスタイルを選択するための情報を提供する努力を続けている。
FDA 米国
