食品安全情報blog過去記事

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TCEの健康リスクに関する根拠は増加:現在のデータはEPAがリスク評価を最終化するのに充分

EVIDENCE GROWING ON HEALTH RISKS FROM TCE; CURRENT DATA ARE SUFFICIENT FOR EPA TO FINALIZE RISK ASSESSMENT
July 27, 2006
http://www8.nationalacademies.org/onpinews/newsitem.aspx?RecordID=11707
NASの研究評議会による新しい報告書は、環境汚染物質トリクロロエチレン(TCE)の発ガンなどの健康影響を理解するための研究を薦めるが、現在の情報はEPAがリスク評価を行うのに充分であると付け加えている。
2001年にEPAはTCEのリスク評価案を発表した。その案が議論を呼び、研究評議会がレビューを依頼された。
2001年以降TCEの発がん性やその他の健康リスクに関する根拠は強化されており、TCEがヒト発ガン物質であるということを支持している。また生殖や発達影響、神経機能障害、自己免疫疾患などの有害反応との関係も示唆されている。
報告書全文
http://www.nap.edu/catalog/11707.html
要約
Assessing the Human Health Risks of Trichloroethylene: Key Scientifi c Issues
http://dels.nas.edu/dels/rpt_briefs/trichloroethylene_brief_final.pdf
トリクロロエチレンは脱脂用に広く使用されている溶媒で、大気や土壌や水からよく検出される汚染物質である。
トリクロロエチレンは体内で主に二つの経路、酸化経路とグルタチオン抱合で代謝される。
トリクロロエチレン及びその代謝物の健康影響については動物実験やヒトの疫学研究からガンを含むいくつかの影響が示唆されている。しかしそうした影響をもたらすのに必要な濃度についてはあまりわかっていない。低濃度暴露によるリスク評価には改善された推定モデルが必要である。



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