食品安全情報blog過去記事

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タランチュラ毒素とトウガラシは同じ痛覚センサーを標的とする

Tarantula venom and chili peppers target same pain sensor
8-Nov-2006
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2006-11/uoc--tva110706.php
Natureの11月9日号に発表されたUCSFのDavid Juliusらの研究。
Juliusらは1997年にカプサイシン受容体を最初にクローニングした。Juliusらはその後10年間この受容体と関連受容体が、神経細胞の熱や辛い食品・マスタードなどの痛みによる発火の引き金を引くことを明らかにしてきた。カプサイシン受容体は神経細胞表面のチャンネルとして働き、ある種の化合物が結合すると受容体チャンネルが開いてナトリウムとカルシウムが細胞内に流入する。この結果電気信号が発生して脳に痛みを伝える。
彼らは22の咬まれると痛いクモやサソリの毒素について検討した。タランチュラ
Psalmopoeus cambridgeiの毒素がカプサイシン受容体(TRPV1)を活性化した。また別のクモの毒素もTRPV1を活性化した。
Nature 444, 156 (9 November 2006)
Channelled pain
Nature 444, 208-212 (9 November 2006)
Spider toxins activate the capsaicin receptor to produce inflammatory pain Jan Siemens et al.