食品安全情報blog過去記事

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包装用インク調査が発表された

Packaging inks survey published
15 November 2006
http://www.food.gov.uk/news/newsarchive/2006/nov/inks
食品包装への印刷用に使用されるインクの成分が食品中に移行しているかどうかに関する調査結果が発表された。結果は人々の健康に心配はないというものであった。
検査対象はベンゾフェノンと4-ヒドロキシベンゾフェノンの二つの化合物で、箱やカートンなどの印刷された包装材に直接接触している食品について調べた。
最初に印刷された紙やシールに包装された食品350検体、次いで印刷されたプラスチックに包装された食品115検体を調べた。
結果
4-ヒドロキシベンゾフェノンはどの検体からも検出されなかった。ベンゾフェノンは最初の調査対象350検体中61検体(17%)から検出されたが濃度は健康上問題となるものではない。
印刷されたラベルが一次包装に貼り付けてある食品にベンゾフェノンが移行することはあまりない。特定の印刷包装材と食品と保存条件の組み合わせで、特に冷凍食品において、ベンゾフェノンが食品に移行する可能性がある。FSAはこの知見について冷凍食品製造業者と会合をもち食品への移行リスクを最小化する方法を検討する予定である。
二番目のプラスチック包装については115検体中4検体からベンゾフェノンが検出された。最大検出量は0.15 mg/kgであった。

ベンゾフェノンは紫外線感受性化合物で、食品包装用の紙箱などに検出されるのは包装材の印刷に使用されたUVキュアインクの残留物である可能性がある。
また段ボールやリサイクルパーパーなどにも検出される。

調査結果の詳細は以下より
ベンゾフェノンと4-ヒドロキシベンゾフェノンの食品包装から食品への移行
Benzophenone and 4-hydroxybenzophenone migration from food packaging into foodstuffs
http://www.food.gov.uk/science/surveillance/fsisbranch2006/fsis1806
包装用インクの食品への移行に関する規制はないが、ベンゾフェノンと4-ヒドロキシベンゾフェノンについてはグループTDI 0.01 mg/kg体重が設定されている。食品と接触するプラスチックについてはベンゾフェノンのSML 0.6 mg/kgが設定されている。
検出されたベンゾフェノンの最大濃度は2000年の検査では7.3 mg/kgだったが2006年は4.5 mg/kgになった。