食品安全情報blog過去記事

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無毒素綿が貧しい人々に食糧を供給する

Toxin-free cotton could feed the poor
20 November 2006
http://www.nature.com/news/2006/061120/full/061120-2.html
遺伝子組換え綿実が毒素のない蛋白源となる。
綿は世界80カ国以上で栽培され主に繊維として使用されている。綿実にはゴシポールと呼ばれるテルペノイド毒素が含まれるため、あまり利用されていない。
RNA干渉技術を用いて研究者らはゴシポール含量を98%削減した綿の作成に成功した。
このゴシポール欠乏は遺伝し、農業における大規模栽培に使用できる。
Proceedings of the National Academy of Sciencesの今週号にオンライン発表された。
SunilkumarG., et al. PNAS, 103. 18054-18059 (2006) Engineering cottonseed for use in human nutrition by tissue-specific reduction of toxic gossypol
http://www.pnas.org/cgi/content/abstract/0605389103v1
綿実の食用への利用は50年以上前に試みられた。交配によりゴシポールのない綿を作ることはできたが、その綿は病気になりやすく農業には適さなかった。RNA干渉技術は他の有毒作物なども食用にできる可能性を示した。


ScienceNOWの記事
Taking the Toxin out of Cotton
http://sciencenow.sciencemag.org/cgi/content/full/2006/1120/2?etoc
ゴシポールの生合成の最初のステップを触媒するδ-cadinene シンターゼ遺伝子を標的とした発現抑制RNA配列を合成し、それに種子でのみ発現するような調節要素をつなげた。


EurekAlert (http://www.eurekalert.org)より
Got cotton? Texas researchers' discovery could yield protein to feed millions
20-Nov-2006
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2006-11/tau--gct111506.php