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食品幻想、魔法そしてポストモダン又は何故人々は食品科学者の言葉に耳を傾けないのか

Food fantasies, magic and the postmodern or why people don’t listen to food scientists
Peter Belton (英国East Anglia大学教授)
FoodInfo Online Features 13 November 2006
http://www.foodsciencecentral.com/fsc/ixid14591
1.食品幻想
ほとんどの食品の専門家は「精製した食べ物は体に悪い」のような文章を根拠のないデタラメだと見なすだろう。しかしながらそうした主張が広く受け入れられている。専門家は、このような無意味な主張をする人とは意味のある対話は不可能であると感じるであろう。しかしそのような態度の広がりを考えると無視するだけでは済まない。
「天然・自然」が良いものとみなされ「技術」によってそれが壊されるという文脈では、科学もその見解を支持するものを除き一般的に「不自然」と見なされる。
2.魔法とポストモダン
ホメオパシーで最も明確なように、儀式により物質に「力」を与えられるという世界観がある。これは科学と言うより魔法であるが、こうした信仰が人間の精神にとって必要であるようなのだ。
3. 科学者はどうすべきか?
不合理な態度に接したときにそれを無視するのは適切ではない。科学者が最初にできることは意志決定過程や不確実性も含めた科学的過程についての完全な公開である。 次に間違った情報に対してより直接的に向き合うことである。我々を取り巻く非科学に取り組むことを恐れるべきではない。政治的正しさや論争を避ける傾向から科学者は関わり合いを避けてきた。しかしながら関わることは対決することではない。明確に根拠となるものは何かや根拠の欠陥を指摘することである。いろいろな公共の場で繰り返しそうすることである。最終的には科学のあり方を再考することを意味する。



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