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診療所の60%はホメオパシー又はハーブ治療薬を処方している

60 percent of doctors' surgeries prescribe homeopathic or herbal remedies
27-Nov-2006
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2006-11/bpl-6pc112706.php
British Journal of Clinical Pharmacologyの12月号に発表された約200万人の患者を対象にした研究論文によれば、スコットランドにおける医師の診療所の60%がホメオパシー又はハーブ治療薬を処方している。アバディーン大学の研究者らは2003-4年の323診療所190万人の患者の公的処方データを解析した。
この結果から、彼らは、英国国民保険におけるホメオパシー又はハーブ治療薬処方の、特に16才未満の子どもと乳児について、批判的批評が必要だとしている。
・ 49%の診療所が合計193のホメオパシー治療薬を処方し、32%は17のハーブ治療薬を処方している
・ この研究の調査対象となった診療所の5%が50%の治療薬を処方し、患者の46%になる
・ 研究期間中少なくとも一つのホメオパシー治療薬を処方されたのは4160人で、73%が女性、平均年齢は47才。
・ 最も多く処方されているのは12ヶ月未満の子ども
・ 研究期間中少なくとも一つのハーブ治療薬を処方されたのは361人で、72%が女性、平均年齢は61才
・ 患者にホメオパシー治療薬を処方した医師は同時に平均4つの通常の医薬品も処方している。
ホメオパシー治療薬トップ5はArnica montana (怪我や痛み)、Rhus toxicodendron (関節症状、頭痛)、Cuprum metallicum (さしこみ、血行不良)、Pulsatilla (月経前緊張、閉経期症状、授乳困難,) 及びSepia (PMT、閉経期症状、疲労)
・ ハーブ治療薬トップ5は:リンドウ (食欲不振、消化不良), クランベリー(尿
路感染)、Digestodoron (消化不良、胸焼け、便秘)、月見草 (月経前緊張)及びLaxadoron (便秘)
ホメオパシーの最大の問題は有効であるという科学的根拠がないことである。最近の英国における根拠に基づく医療の推進傾向に照らして、根拠のない治療法は医療保険で賄われるべきではない。
2006年9月にMHRAはホメオパシー治療薬に使用できる病状を表記できる新しい規制を導入したが、これは多くの英国科学機関から、根拠のない健康強調表示を許すべきではないと批判されている。
Homeopathic and herbal prescribing in general practice in Scotland. Ross S, Simpson C R and McLay J S. British Journal of Clinical Pharmacology. Volume 62.6. Pages 647 to 652. (December 2006).