食品安全情報blog過去記事

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湖のマスがスモークされる

Lake Trout Get Smoked
4 December 2006
http://sciencenow.sciencemag.org/cgi/content/full/2006/1204/4?etoc
山火事が起こるとたくさんの水銀が煙と共に排出される。この元素は数百キロから数千キロも飛散する。一部は近場に沈着し湖に流れ込んで魚に取り込まれる。新しい研究によれば山火事が魚の水銀濃度を増やす驚くべきメカニズムが明らかになった。
アルバータ大学のErin Kellyはカナディアンロッキーの水銀について調査していた。2000年の8月に、彼女のフィールドであるJasper国立公園のMoab湖近くで山火事がおこった。彼女らは山火事前の魚や無脊椎動物のサンプルを調べていたので、この1120ヘクタールを焼いた火事の影響を調査することができた。
火事の後一ヶ月以内に焼けた土地から湖への水銀の流入があった。この時湖では窒素の量も2倍になりリンも4倍になった。無脊椎動物がこれにより良く繁殖し、より大きな魚の食糧が豊富になり小さなマスが特に増えた。
この結果普段は無脊椎動物を食べる魚が若いマスを食べ始めた。捕食魚がさらにこの魚を食べると、結果として水銀濃度が普段よりさらに高くなった。ニジマスは火事の前に比べて5倍の水銀を含むことになった。
研究チームの計算では魚の水銀濃度の増加の88%は食物連鎖の変化によるもので、残りが湖に水銀が増えたことによる。
Proceedings of the National Academy of Sciences今週号に発表される。


EurekAlert (http://www.eurekalert.org)より