食品安全情報blog過去記事

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JNCI日本語要約

2007年1月17日
http://jnci.oxfordjournals.org/cgi/data/99/2/97/DC1/1
・マイクロアレイデータの解析と報告に関する新しいガイドライン

DNA マイクロアレイ技術は、−中略−そのデータを解析した研究の妥当性が問われるようになってきている。遺伝子発現プロファイルを癌の臨床的アウトカムに関連付けた研究を集約して、Dupuy とSimon(p147)は最近発表されたマイクロアレイデータの統計的解析における共通の誤りを指摘している。彼らは更にこれらのデータ解析のためのチェックリストを「すべし―すべからず」形式のチェックリストの形で提示するガイドラインを開発している。

これについてはプレスリリースが出されている
Study Identifies Common Flaws in Oncology Microarray Studies
http://jnci.oxfordjournals.org/cgi/content/full/99/2/97-a
2004年に発表された42のマイクロアレイ研究を調べたところ、21報には少なくとも1つの基本的欠陥があり、遺伝子発現になんらかの相関があると結論した23の論文のうち9つには疑陽性の可能性について不適切な、不明確な点がある。
JNCIの元論文フリーアクセス


・食事による抗酸化剤サプリメントと胃癌リスク

胃癌は世界で最もよく見られる悪性疾患の一つであり、毎年ほぼ100 万の新規症例が発生する。疫学的証拠により、新鮮な野菜・果物に富む食事が胃癌の予防効果がある可能性が示されているため、Plummer ら(p137)はヴェネズエラにおける胃癌の高リスク集団において、胃癌の前癌病変の進展と退縮とに対する抗酸化物質ヴィタミンC・ヴィタミンE・ベータカロテンの連日補完の効果を検討した。3 年間にわたるこれらのヴィタミン補完によってそれらの血漿レベル中央値はすべて上昇したが、前癌病変の進展度・退縮度に対しては効果が見られなかった。
Editorial でTaylor(p101)はこれまでに行われた胃癌予防の臨床試験の結果を総括し、将来の試験において重視されるべき幾つかのアプローチを推奨している。

(抗酸化サプリメント、ここでもダメ)