食品安全情報blog過去記事

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New Scientist (20/01/07)

Feeding hungry genes
Bijal Trivedi
http://www.newscientist.com/channel/health/mg19325871.600-feeding-hungry-genes.html
ニュートリゲノミクスに基づくとされる遺伝子検査に科学的根拠はあるかという記事。
テーラーメードの栄養や食事の処方を提供するとされる各種遺伝子検査キットが販売され、ているが、その根拠はあまりなく、消費者のメリットもないことを述べている。
例として英国のバイオテクノロジー企業Sciona社による栄養遺伝子検査を挙げている。著者は同社に自分の遺伝子検査を依頼し、19の遺伝子を検査した結果骨粗鬆症や糖尿病や高血圧になりやすいとされ、ありふれた健康的な食生活ともっと運動するようにという助言が与えられた。著者はその結果を遺伝学や栄養学の専門家や医師に相談したところ、複雑な疾患は10から100の遺伝子が関与するもので、この検査では意味のある情報は得られないとされた。


この記事で紹介されているGAO 政府説明責任局の報告書
栄養遺伝学的検査:4つのウェブサイトで販売されている遺伝子検査は消費者を誤解させる
Nutrigenetic Testing: Tests Purchased from Four Web Sites Mislead Consumers
July 27, 2006
http://www.gao.gov/docsearch/abstract.php?rptno=GAO-06-977T
多くの病気に遺伝的要因があると考えられており、遺伝子検査が医療の一部となっている。ある種の遺伝子検査が、個別の栄養やライフスタイル提案のためと称してインターネットや小売店を介して直接消費者に販売されている。GAOはこれらの主張の正当性を調査した。
GAOは女性12人男性2人の架空の人物像を作って4つのウェブサイトで検査を購入し、同時に遺伝子や栄養の専門家に相談した。
結果、全ての検査は医学的に証明されていない予言や消費者にとって意味のないあいまいな情報などを提供しており、消費者を誤解させるようなものであった。この検査は病気の診断用ではないという断り書きがあるものの、全ての結果で消費者がある種の病気を発症するリスクがあるという予言がなされている。また一つのサイトではさらに高価なサプリメントを薦めて消費者を誤解させている。そのサイトでは年間1200ドルの「個人用」サプリメントを薦めていたがGAOがその成分を調べたところ普通の薬局で販売されているもので価格は年間35ドルであった。このサイトでは傷ついたDNAを修復する高価な製品と宣伝していたが、専門家によればそのような錠剤は現時点で存在しない。
詳細報告書はここから入手できる