食品安全情報blog過去記事

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New Scientist (12/02/07)

What's your poison?
Lisa Melton
12 February 2007
アセトアルデヒドの毒性についてのレビュー。
アルコールによりほぼ全ての臓器に重大な疾患が誘発されることは長い間わかっていたが、その原因がアセトアルデヒドによるものであることがわかったのは1980年代である。エタノールは肝臓でアルコールデヒドロゲナーゼによりアセトアルデヒド代謝され、さらにアセトアルデヒドアルデヒドヒドロゲナーゼ(ALDH)により酢酸に変換される。酢酸は筋肉の燃料となる。肝臓ではALDH2が主にアルデヒド除去の主役となり通常99%以上を除去する。肝臓の処理能力はエタノール約7g/時間であり、ワイン1本を飲むと処理に12時間かかるので12時間持続的にアセトアルデヒドに暴露されることになる。
ALDH2遺伝子に変異のある場合アセトアルデヒドが分解されず、上部消化管のガン発症率が50倍になる。このタイプの変異が多いのは日本人・韓国人・中国人・台湾人である。
タバコは相乗作用がある。また口の中や消化管にいる微生物もアセトアルデヒドを作る。食品(ピクルスやヨーグルト、パン、チーズ、果物、コーヒー)にも含まれる。
アセトアルデヒドの分解は早く暴露量測定は難しい。さらに個人の遺伝的素因や飲酒・喫煙・食習慣、細菌叢などにより影響される。