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健康的な日焼け?

SCIENCE News This Week March 2 2007, 315 (5816)
News Focus
A Healthy Tan?
Ingrid Wickelgren
http://www.sciencemag.org/cgi/content/full/315/5816/1214?etoc
ヒトの肌にはいろいろなタイプがあり、色の薄い日焼けしない肌のヒトは悪性黒色腫を含む日光誘発生ガンへの防御が低い。
日焼け止めはべたべたしたり使いにくかったりつけ忘れたりしやすいことは誰もがよく知っていることであるが、実はもっと重大な欠点がある。日焼け止めでは最も悪性度の高い皮膚ガンが防げないのである。UVブロックスプレーやクリームは日焼けや扁平上皮細胞ガンや基底細胞ガンは防げるが、悪性黒色腫が防げない。悪性黒色腫を防げるのは濃い日焼けした肌の色である。日焼けしやすい肌の色の濃い人が皮膚ガンになる可能性は色の白いヒトの1/500である。一部はメラニンのUV阻害作用によるが、日光で日焼けしようとするのは愚か者の賭であり、日焼けの色が定着する前にDNA傷害がおきてしまう。研究者は日光に依存しない日焼けの方法を開発中である。その鍵となる分子の一つがメラノコルチン1受容体(MC1R)である。


関連
Why I Have Red Hair, Need to Avoid the Sun, and Shouldn't Commit a Crime
Vol. 315. no. 5816, p. 1215
http://www.sciencemag.org/cgi/content/full/315/5816/1215
赤い髪で日焼けしない性質がMC1Rの変異による。