食品安全情報blog過去記事

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合意会合:グルタミン酸ナトリウム−更新

Consensus meeting: monosodium glutamate an update
European Journal of Clinical Nutrition (2007) 61, 304 313.
K Beyreuther et al.
1997 グルタミン酸ナトリウムに関するHohenheimコンセンサスミーティング
(合意のための会議)の更新:グルタミン酸ナトリウムの生理と安全性に関する最近の知見を評価しまとめることが目的。
ドイツHohenheim大学で行われた。
ヨーロッパ諸国における食品からの総グルタミン酸摂取量は一般的に安定しており5-12 g/日(遊離のものが約1g、タンパク質に結合しているものが約10g、調味料として添加されているものが約0.4g)である。全ての摂取源からのL-グルタミン酸(GLU)は主に腸細胞のエネルギー源として使用される。最大16.000 mg/kg体重が安全であるとみなされる。従って食品添加物として一般的に使用されているグルタミン酸塩(MSGやその他)は全体の集団にとって害はないと見なすことができる。生理的にはあり得ない高濃度のGLUでも胎児循環には入らない。ただし血液脳関門に障害がある時の高用量急速静脈投与の影響についてはさらに検討が必要である。高齢者などの食欲不振状態では低濃度のMSGを使用することにより食欲を亢進できる。