食品安全情報blog過去記事

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最近のCRIIGENによるMON 863トウモロコシに関する発表についてのEFSAの声明

EFSA statement on the recent CRIIGEN [1] publication on MON 863 maize
15 March 2007
http://www.efsa.europa.eu/en/press_room/press_statements/mon863.html
EFSAはCRIIGEN研究者グループにより最近発表されたMON 863についての、ラット90日試験の異なる統計解析結果を含む報告を承知している。EFSAはこの新しい発表を注意深く検討し、MON 863のリスクアセスメントに影響があるかどうか評価する。MON 863はEFSAやその他の機関によりヒトや動物の健康や環境に悪影響はないと評価されている。CRIIGENが解析したラット90日試験は総合的リスクアセスメントの一要素である。CRIIGENの報告については2007年3月22/23日のGMOパネル会合で議論される。



論文はこれ
Gilles-Eric S ralini et al.
Archives of Environmental Contamination and Toxicology
New Analysis of a Rat Feeding Study with a Genetically Modified Maize Reveals Signs of Hepatorenal Toxicity
http://www.springerlink.com/content/02648wu132m07804/?p=5fde006520c8462aa97d30df3595b6c3&pi=0
ドイツでの情報公開により、モンサント社の提出したMON863の承認申請に使われたラット90日試験の生データを入手し、独自に解析したという報告。
実験そのものは一群20匹の6週齢SDラット10群(MON 863は11及び33%の二種類、他33%通常トウモロコシ系統を混ぜた餌)からなる。血液生化学検査は1群10匹。
これについて、11%と33%で体重曲線に差がある、「理論的」体重曲線から雄は下に雌は上に外れているので毒性がある、と主張している。また血液と尿の生化学検査の検定の結果、全部で494回の検定を行い、p<0.05で有意になったのが40で理論値の25より多いとしている。それを根拠に肝臓(アルブミングロブリンなので)と腎臓(尿検査だから)に悪影響があると主張している。


(生き物なのでこれくらいの変動はある。差があると言っているものも増えたり減ったりで一定の傾向はない)

モンサントによる元論文は
B. Hammond et al.
Food and Chemical Toxicology
Volume 44, Issue 2 , February 2006, Pages 147-160
Results of a 90-day safety assurance study with rats fed grain from corn rootworm-protected corn


CRIIGEN:フランスの反GM活動家からなるNGO

グリーンピースジャパンもプレスリリースを出している
2007年3月13日付
http://www.greenpeace.or.jp/press/releases/pr20070313_html
グリーンピースインターナショナルはこれ
13 March 2007
http://www.greenpeace.org/international/press/releases/seralini_study_MON863