食品安全情報blog過去記事

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親の無知は有害である

Parental Ignorance Can Hurt
By Ruth Kava, Ph.D., R.D.
May 23, 2007
http://www.acsh.org/factsfears/newsID.968/news_detail.asp
アメリカ人が健康に関する決定を行う際に非科学的になっているということを疑う人は、最近報道されたいくつかの悲しいニュースを見るといい。
一つめは、オハイオ州Cantonの若者(Noah Maxin 11才)が、彼の両親が化学療法を中止する許可を裁判所から得て4年後、白血病で亡くなった。彼のガンは標準治療により沈静化していたが、両親は彼を食事やサプリメントによる「ホリスティック」ケアで治療すると決めた。4ヶ月後、彼のガンが再発したが、両親は化学療法を受けさせず、彼は白血病で亡くなった。4ヶ月間治療しなかったことが死因かどうかはわからないが、標準治療法に一定の効果があるにも関わらず彼の両親は賭を行ったことは事実である。
二つめは2才の女の子の壊血病(ビタミンC不足)の報告である。彼女の両親は彼女を加熱したオーガニックミルクとオオムギとコーンシロップで育て、野菜や果物を与えなかった。この食事はサイエントロジー教会(新興宗教)が指示しているものである。その結果皮膚が青白く、むくみ、歯が何本か抜け、足が痛くて歩けないといった状態になった。これらの症状はビタミンC投与により回復した。
さらに悲しいニュースは、べーガン(完全菜食主義者)の両親が赤ちゃんに母乳や乳児用ミルクを与えず、豆乳とリンゴジュースだけ与え、生後6週でたった3.5ポンド(1600gほど)の体重で亡くなったことだ。この体重では新生児は退院できない。
いずれの場合も両親は子どもを傷つける意志はなかった、と思う。健康な成人は自分の信仰に基づいていろいろな食事法や治療法を選ぶことができる。しかし子どもについては、両親の信仰とは別に科学的根拠のあるガイドラインに従う方がよい。