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ジエチレングリコール汚染、歯磨き−中国から多国

Diethylene glycol contamination, toothpaste - Multicountry ex China
24-MAY-2007
http://www.promedmail.org/pls/promed/f?p=2400:1001:13588740681883147866::NO::F2400_P1001_BACK_PAGE,F2400_P1001_PUB_MAIL_ID:1000,37540
ニューヨークタイムス 5月22日付記事より
中南米で子ども向けを含む汚染歯磨きが見つかり、中国当局は汚染歯磨きを輸出したとされる2社を調べている)
政府の調査団は2007年5月20日の月曜日にDanyang市に到着しDanyang City Success Household Chemical Companyの工場を閉鎖した。同社は約30人の従業員の小さな建物である。さらにWuxiにあるもう一つの歯磨きメーカー Goldcredit International Tradingの社長を取り調べた。
米国では汚染歯磨きは見つかっていないがFDAは事態を厳しい目で見ている。
ドミニカ共和国当局はジエチレングリコールを含む可能性のある36,000本の歯磨きを押収した。これらには子ども向けに風船ガム入りでイチゴ風味の"Mr. Cool Junior"も含まれる。
有害溶媒を含む歯磨きは、先週パナマとオーストラリアでも見つかった。
ドミニカ共和国の保健長官Bautista Rojas Gomezは成分リストにジエチレングリコールを記載した歯磨きは、ハイチ国境付近を含む全国の店で見つかっていると述べている。
ジエチレングリコールは昨年パナマで風邪薬に混入されて100人以上を殺した毒である。この時はジエチレングリコールグリセリンと誤表示されていて、輸出元は中国だった。ジエチレングリコールは一般的にグリセリンより安価である。パナマ政府は、最大4.6%のジエチレングリコールを含む汚染歯磨きの輸出元は中国であると述べた。
中国で取り調べを受けた会社の社長は二人とも21日のインタビューでジエチレングリコールを含む歯磨きをパナマに輸出したことはないと否定した。しかしながら同社やその他のこの地方の歯磨きメーカーでは、中国の歯磨きに、長年ジエチレングリコールを害はないと信じて使ってきた。
政府の調査団は歯磨き6000本にジエチレングリコールを発見している。製品名は英語で"Mr. Cool"及び "Excel"である。
ジエチレングリコールを含む歯磨きによる死亡は報告されていない。
製造業者によれば"Mr. Cool"及び "Excel"のブランド名はいくつかの会社がコピーして使っており、多数の貿易会社が世界中に輸出している。Danyang City Success Household Chemical社はパナマに製品を輸出してはいないと述べているがグリセリン代用品としてジエチレングリコールは使っていることを認めている。政府が使う量を明確に規制していない。もしジエチレングリコールが毒なら中国人全てが中毒になっているはずだと。


注として
歯磨きで使う量のジエチレングリコールで急性毒性症状がでることはないだろう。但し長期間にわたる粘膜への暴露の影響については不明である。
(さらにFDAは5月24日、中国からの歯磨きの輸入を検査のため差し止めたと報道されている)



EurekAlert (http://www.eurekalert.org)より