食品安全情報blog過去記事

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酸素の裏技でオーガニック製品の値段を下げられる

Oxygen trick could see organic costs tumble
10-Jun-2007
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2007-06/soci-otc060607.php
Chemistry & Industryに掲載されたLisa Richardsの報告によれば、酸素を使った処理法でオーガニック果物の貯蔵期間が延ばせる。
現在英国の消費者はオーガニック製品に二倍ものお金をはらわなければならない。例えば有機リンゴはSainbury’sやWaitrose やTescoで通常リンゴの二倍の値段で販売されている。高値の理由の一つは保存期間が短いことで、通常栽培の果物には安価な化学物質で処理して保存期間を延ばすことができるのに有機ではそれができない。一部の有機野菜・果物では貯蔵期間中のロスが非常に大きい。多くの有機生産者は洗練された冷蔵庫を所有しているが、それらは非常に高価で短期間しか使われていない。
イスラエルのVolcani CenterのEdna Pesisらのチームは、リンゴを20℃で低酸素濃度で1週間前処理することで、リンゴの低温貯蔵による傷害であるヤケド痕形成を抑制できることを示した。この方法で8ヶ月の低温貯蔵で90%が残存し
(Journal of the Science of Food and Agriculture DOI: 10.1002/jsfa2873)、未処理リンゴは100%ダメになった。

(全工程をコールドチェーンにしてまで有機野菜を食べたい、なんていう要求は環境保護に真っ向から対立すると思うんだけど)