食品安全情報blog過去記事

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ダイエット薬の販売法:処方薬や薬局で販売される薬は不健康な行動を増やす可能性がある

How to market diet pills: Prescription and over-the-counter pills may increase unhealthy behavior
14-Jun-2007
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2007-06/uocp-htm061407.php
今週金曜日、FDAが初めて認可した薬局販売減量薬であるグラクソスミスクラインのAlli が全国で販売される。この薬が成功するかどうかは販売促進キャンペーンに大きく依存する。Alliは医薬品であるが、その宣伝は健康増進用サプリメントとしての役割を強調している。
Journal of Consumer Researchの次号に発表される論文によれば、肥満などと診断された消費者は、直ちにフライの代わりにニンジンスティックを食べたり夕食後に早歩きをしたりせず、薬を処方されると余計にジャンクフードを食べたりあまり動かなかったりしがちになる。この「ブーメラン効果」には二つの理由がある。一つは医薬品の宣伝が健康的なライフスタイルへの動機付けを削ぐことである。「脂肪がつきにくい薬を飲んでいるのにどうしてわざわざ低脂肪の食品を選ばなくちゃいけないの?」と。さらに医薬品は消費者の、正しい食生活と運動により健康的に生活する自分の能力への信頼を損ねるようである。
興味深いことに、一連の研究によりサプリメントにはこのようなブーメラン効果はないことがわかった。サプリメントの実際の効果はどうあれ、サプリメントを使う消費者はその効果のためには自分が追加で何かをしなければならないと思う。
この知見は医薬品やサプリメントの宣伝と規制に関する議論にさらに一石を投じるものになろう。
Alliの宣伝が成功するかどうかは時間が明らかにするであろう。